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アーバンライナー

名古屋から大阪までノンストップのアーバンライナーに乗った。
愛知、三重、奈良、大阪と新幹線とは別ルートで行くのがおもしろい。瓦屋根の家々が線路の近くに並び、風景も少し違う。

鏡開きの二日後に

鏡餅を飾ったわけでもないが、小豆を煮た。ことこと音がして、湯気で部屋があたたまり、豆らしい匂いがただよってくる。やわらかくなったら砂糖を入れて、さらに煮て、お餅を入れてできあがり。製作過程もふくめて冬の楽しみ。
大草原シリーズのローラの食卓にも、よくポークビーンズが登場する。貧しいときは大豆を煮ただけ。余裕があれば塩漬け豚を入れたりしていたが、とてもおいしそうだった。

おせち料理

黒豆、昆布巻き、たつくり、きんとん、煮しめ、なますを作った。お屠蘇も準備した。明日は、お正月。

「ガリア戦記」

 ローマ帝国の武将、ユリウス・カエサルの作で、実際に戦った本人の手記ならではの臨場感にあふれている。
 三人称の記述にもかかわらず、ラビエヌス、青年クラッスス、ブルトゥスなどを信頼しているのが分かる。けれど、副将ラビエヌスは、ルビコンでたもとを分かつし、クラッススは父の元に赴き戦死するし、ブルトゥスに至っては、カエサル暗殺に関わるし…と、その後を考えながら読むと複雑なものがある。
 カエサルは、いざというときは百人隊長一人一人に呼びかけ、鼓舞し、賞讚するなど、人身掌握が巧みで、また集めた情報を元に、迅速な作戦をたて、戦場で臨機応変に対処する抜群の指導力を持つ。そして、厳しい訓練を受けている軍団は、そのすばやい指示にこたえることができる。
 特に、ゲルマン人の前で短期間でライン河に橋をかけて全軍を渡らせ、その後、壊してしまう場面の、技術力、組織力がすごい。
(「ガリア戦記」カエサル、國原吉之助訳、講談社学術文庫)

王と女王の名前

Walter de la Mareの詩に「Kings and Queens」というのがある。
イギリスの歴代の王と女王の名前をずらずら並べて、韻を踏んだ詩にしているところがおもしろい。出てくる名前は、
「ヘンリーが8、メアリーが1、エリザベスが1、
ウィリアムが4、スティーヴンが1、アン、ヴィクトリア、ジョン、
ジェイムズ、チャールズ、チャールズの息子たち、
リチャードが3、エドワードが7、ジョージが4」
(作者の時代は、まだ、今のエリザベス二世ではなかった。)
あまり珍しい名前は無いようだ。

おそまきながら晩秋の京都

午前十時半、京都の鴨川の岸を歩いた。気温は低いが快晴で日の光が暖かい。人通りは少なく、川は水鳥がいっぱいで「鴨」の川だと実感した。
その後、下鴨神社、(鞠小路通りでパスタのランチ)、京大そばのイチョウ並木、哲学の道、南禅寺、知恩院、八坂神社と、散り際の紅葉を楽しんだ。紅葉は、落ちてしまえば枯れ葉だが日の光を浴びると美しく見えるのだなあと、つくづく思った。
こよみの上では、もう初冬だが、温暖化の折、晩秋というにふさわしい一日だった。

日本丸

帆船日本丸(にっぽんまる)が神戸港から出航するのを見にいった。タラップを人力で船内に引きあげるのに、まず驚いた。出航準備が整うと、実習生たちが、高さ45メートルのマストの上まで裸足で上って、見送りの人に挨拶する「登しょう礼」があった。それから汽笛を三度ならして出航していった。船の別れはもの悲しさと、大海原へ乗り出す希望とが混ざっているように感じられる。

廃線跡ハイキング

少し寒めだがさわやかな晩秋の一日、兵庫県西宮市の生瀬(なまぜ)からJR福知山線の廃線跡を歩いた。単線の埋もれかけた枕木の上を歩いていくと、右手は武庫川上流に沿っていて、山中のところどころ紅葉が美しい。途中トンネルが六つあるが、真っ暗なので懐中電灯が頼り。昔は車窓から眺めた景色だろうなと思う。終点の宝塚市の武田尾(たけだお)は温泉で有名だが複線電化になった立派な駅だった。電車に乗って三つほど駅を過ぎると、もう宝塚駅。あっという間に都会に戻ってきた。

panic

panicは、「Panの神によって起こされた恐怖が原義」だそうだ。
パンの神というと、頭に角があり、耳と足はヤギに似ている牧羊神で、広い野原で笛を吹いているイメージが浮かぶ。ローマ神話のフォーンと同じといえば、ナルニアのタムナスさんを思い出す。
どちらにしても、「パニック」という恐ろしい響きに似合わず、少しのんびりした感じがする。