19世紀前半の作、ドイツ・ロマン派の作曲家ウェーバーのオペラ「魔弾の射手」を見た。
17世紀後半の30年戦争後の荒廃したボヘミアの森が舞台。スランプに陥った射手マックスは、悪魔から絶対に的を外さない魔弾を手に入れるため、深夜「狼谷」へ行く。そこではおどろおどろしい雰囲気の中で7発の魔弾が造られ、悪魔が姿を現す・・・。
マックスは最初から最後まで悩みっぱなしで魅力的とは申しかねたが、恋人アガーテは生きていて、罪も許され、一応めでたく終わる。もっとも、元になった話は、主人公の7発めの魔弾で恋人は息絶え、主人公は精神錯乱を起こすという悲惨な話だったそうだ。
「狩人の合唱」、また序曲の一部「秋の夜半」として昔から知られている曲は美しいが、何より深い森の恐ろしさと民衆の力強さが印象に残る作品だった。