お正月の三が日は、お屠蘇とお雑煮とお節で始める。四日からは普通どおり。それにならって穏やかだった天気も急に強い風が吹いて荒れ模様になってきた。
お正月の三が日は、お屠蘇とお雑煮とお節で始める。四日からは普通どおり。それにならって穏やかだった天気も急に強い風が吹いて荒れ模様になってきた。
午前中に、晴れているのに雨がぱらついた後、北西の空に大きな虹がかかった。端は家々の屋根の上まで落ちていて空の上から誰かが渡って下りてきそうな雰囲気だった。
クリスマスの絵本の中で好きな本の一つが
「The Tailor of Gloucester(グロースターの仕立て屋)」だ。
イギリスには、クリスマスイブに大聖堂の鐘が鳴り始めてから翌朝に鳴り終わるまでは、すべての動物が話すことができるという言い伝えがあったそうだ。このお話では、その間に、病気になった仕立て屋のかわりにネズミたちが仕事を引き受けてくれる。
捕まえておいたネズミを仕立て屋が逃がしたことを知って、ネコのシンプキンは怒って「twist」を隠してしまう。「twist(より糸)」は、糸をよって作るという製法からきているが、日本語では、ボタン穴をかがるという用途から「穴糸」という。「twist」が足りなかったボタン穴を残して、ネズミたちがこっそり仕上げた上着の刺繍の絵も素晴らしい。
(「The Tailor of Gloucester」by Beatrix Potter)
アイルランドのコーラスグループ「アヌーナ」の合唱を聴いた。
解説によれば、中世の宗教曲や聖歌を古い書物から発掘し、元々は男性のユニゾンで歌われていたものを、現代的アレンジを加え混声合唱にしているそうだ。聴いていたら、ケルトの神話のダーナ神族や、それを書き残した聖パトリック後の修道僧のことが思い浮かんだ。
新幹線さくらに初めて乗ってみた。終着駅「鹿児島中央」の表示が新鮮だが、今回は広島で途中下車。
広島市の大通りのライトアップは、お城や船や汽車など多彩だった。
広島市に近い宮島は古代から島そのものが神として信仰され、12世紀の平安時代末に平清盛が厳島神社(いつくしまじんじゃ)の社殿を造営した。干潮後、ひたひたと潮が満ちてきて大鳥居や回廊が水に浸る眺めは印象的た。
神社奥の紅葉谷公園では、紅葉の絨毯を子鹿が歩いていた。
ギリシア神話は、ギリシアが大好きなローマ人によって、ローマ土着の神話と重なりながら、文学、彫刻に残された。その後、現代に至るまで美術や文学の題材となっているし、「トロイの木馬」というコンピューターのウィルス名もある。
ギリシア神話に登場する女性といえば、美しくて英雄に助けられたりゼウスに誘拐されたりする役回りが多い中で、知恵あるメデイアは、アルゴ号で金羊毛を取りに行ったイアソンを助けたが、魔女であり希代の悪女として描かれる。一方、女神たちは、ヘラ、アテナ、アルテミス、アフロディテと勇ましくのびのびしている。
19世紀後半にフランスで興った印象派は、鮮やかな色彩と光の描き方が特徴だが、これには19世紀中頃に発明されたチューブ入り絵具が役立っているそうだ。それまでは色を作るのは職人技だったが、これにより誰でも手軽に綺麗な色が出せるようになり、また戸外で制作できるようになったからだ。道具の発達が芸術に影響を与えているのが面白い。
(ワシントン・ナショナルギャラリー展)
今日は小雨の肌寒い一日だったが、2011年11月11日。1が6つ並ぶのは100年に一度だそうだ。その記念すべき11時11分11秒、残念ながら気づかずに普通に過ぎてしまった。
奈良の正倉院には、八世紀の聖武天皇と光明皇后ゆかりの品や、東大寺大仏開眼会(え)に使われた仏具などが収められている。毎年秋の正倉院展では、九千件ともいわれる宝物から六十件ほどが展示される。
今年は、蘭奢待(らんじゃたい)と呼ばれる香木があった。この名の中には「東大寺」という文字が隠されている。一見枯れ木風だが、織田信長や明治天皇が切り取ったといわれる跡が残っている。
赤銅柄香炉(しゃくどうのえごうろ)は、儀式などのとき僧が手に持って香を焚き仏を供養し室内を静める道具だそうだが、お雛様の三人官女のひとりが持つのに似ていた。
紅牙撥縷尺(こうげばちるのしゃく)は、象牙を染めて文様を彫った三十センチほどの物差しで、儀式に使われたらしい。赤の色が鮮やかで、鹿を追う虎や植物などが細かく細かく彫られている。
金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんそうのからたち)は、聖武天皇愛用の品で、白鮫の皮が巻かれ、透かし模様と宝石で飾られた金具の柄が美しい。どれも専門用語で名前が難しく、英語の説明の方が簡単で判りやすいことも多かった。