毎年、寒風の中で花開く梅だが、この冬は暖かいので早めにのびのびと咲き出した。
毎年クリスマスの時期になると「The Twelve Days Of Christmas」という歌を思い出す。歌詞は18世紀に作られたらしい。
On the first day of Christmas, my true love sent to me
a partridge in a pear tree.
という具合に始まり、クリスマスの12日間に恋人がくれた贈り物をどんどん積み重ねていく。
とりあえず最初の四日間は色々な種類の鳥。五日目に金の指輪。六日目は、また鳥で、その後は主に演奏者や踊り手という云わばパーティー要員。
一見、荒唐無稽だが考えてみれば「御馳走と金と娯楽」というのは今も変わらず喜ばれるプレゼントかもしれない。
20世紀初めの米国の西部開拓者の生活を描いた「大草原シリーズ」は、どの巻もクリスマスが家族にとって一番の記念日として描かれている。主人公のローラがかなり成長した「シルバーレイクの岸で」では、母と娘たちがそれぞれ内緒で手作りの贈り物を準備しているのだが、末娘グレースへの贈り物は手作りのコートだった。
秋に、父が誤って撃ってしまった白鳥の羽毛(down)をフードと襟飾りにした青いコートは、さぞ綺麗だったことだろう。でもダウンは飾りなので、あまり防寒の役目は果たさなかったかもしれない。
"By the Shores of Silver Lake" by Laura Ingalls Wilder,1939
今日の曲目は・・・
「長光(ながみつ)」
都見物に出かけた坂東方の男が、持っていた太刀をすっぱ(詐欺師)に狙われる。目代(代官)の前で、太刀の特徴をそれぞれ言い立てることになり、すっぱは盗み聞きで何とか対応するが・・・。
「鐘の音(かねのね)」
主人が息子の元服に黄金の太刀を誂えようと思い、金の値段を聞きに、太郎冠者(万作)を鎌倉へ遣わす。太郎冠者は「金の値」を「鐘の音」と思い込み、寺を巡って帰り、主人の前で鐘の音を謡い踊って説明するが・・・。
「千切木(ちぎりき)」
連歌の会に仲間外れにされた太郎(萬斎)が、難癖をつけに行き逆に放り出されてしまう。太郎の妻は、太郎に無理やり棒を持たせ仕返しに行かせようとけしかけ、太郎は嫌々出かけるが・・・。
「千切木」とは、武器にするための棒で、「いさかい果てての千切木」という諺から取られたもの。「時機に遅れて役に立たない」という意味になる。