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梟山伏

「梟山伏」(ふくろやまぶし)」という狂言がある。
フクロウのように「ホーホー」と啼く病気にかかった患者を治そうと山伏がよばれるが、このフクロウ菌は強力で、折伏どころか周りの人も感染し、ついには山伏も感染してしまう。

「ホーホー」という鳴き声と仕草が面白くて舞台を見たときは笑ったが、医療従事者も感染している現状では笑えない。
14世紀の室町時代に確立した長い歴史を持つ狂言の乾いた笑いの裏には、いくさ、疫病など厳しい現実があり、それらを乗り越えて笑いに変える強さとしたたかさが含まれているのだろうと思った。

春が来た

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スモモが満開に近い。

春近し

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スモモが咲き出した。

雛祭り

今年生まれた女の子にとっては初節句。

王の息子

バーネット作「小公子」は、アメリカ生まれの少年セドリックが、ある日イギリス貴族ドリンコート伯爵の唯一の跡継ぎ「フォントルロイ卿」であると知らされるところから始まる。
久しぶりに読んだら、19世紀後半、南北戦争後で、若い国アメリカも、歴史ある国イギリスも共にまだ活気のある時代の話だった。

ちなみに原題は、「Little Lord Fauntleroy」だが、この「Fauntleroy」は、「son of the king」という意味らしい。

聖徳太子の同時代人

世界三大宗教の一つイスラム教の創始者ムハンマドと、聖徳太子として知られる厩戸皇子(うまやどのみこ)は、共に6世紀後半から7世紀前半の人でほぼ同時代人だそうだ。イスラム教は結構新しい宗教だ。

暖冬

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梅が早くも満開に近い。

中身は空っぽ

南仏出身のパン屋さんのお店で「シューケット」というお菓子を見つけた。丸くてサクサクしてとても美味しい。食べながら、これは「大草原シリーズ」の「vanity cakes」だと思った。

「大草原シリーズ」は、作者ローラの子ども時代の経験を元にした19世紀半ばのアメリカ開拓者の生活を描いた作品である。決して豊かではない厳しい生活だが、ローラの母さんは色々工夫して美味しい料理をつくってくれる。たくさんの学校友だちを招いたときのおもてなしが、この「vanity cakes」だった。これは、卵を泡立て小麦粉と混ぜて一口大にしてこんがり油で揚げたもので、甘くはないが「Rich and crisp」そして中は空っぽと書かれている。
「虚栄心(vanity)のように、膨らんでいるけれど中身は空っぽ」という名前も面白い。遊んだ後で、搾りたてのミルクを添えたこのおやつはとても美味しかったことだろう。

"On the Bank of Plum Creek" by Laura Ingalls Wilder, 1953

オレンジ抜きのマーマレード!?

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英国土産のマーマレード。
材料を見たら「Qince,Sugar,Lemon Juice」などとあって肝心なオレンジが無い。調べてみたら「Qince」とは、マルメロ(セイヨウカリン)のことで、古代ギリシアから古代ローマに伝えられた「蜂蜜で煮たマルメロ」が、マーマレードの語源という説もあるらしい。
オレンジの代用品にマルメロを使ったのかと思ったが、こちらの方が歴史が古いようだ。

星の王子さま

岩波の「星の王子さま」の原題は、「Le Petit Prince」、英語訳では「The Little Prince」なので日本語の直訳では「小さな王子」になる。最近は色々な新訳も出ているようだが、「星の王子さま」に親しんできた人間にとっては、内容を的確にあらわした良い題名で、これ以外の題名はしっくりこない。翻訳は別の作品になる部分もあると思う。