記事一覧

アレクサンダー・コブリン

ロシアのアレクサンダー・コブリンのピアノ・リサイタル。
ショパンのバラード、1番と4番、幻想即興曲など。
二十代から三十代に作曲されたものを、二十代のピアニストが弾くのだからちょうど良い雰囲気。
聞き惚れて、CDまで買ってしまった!

トンボソのおひめさま

 もぎたてのリンゴが、おいしい季節。ころっと小ぶりで真っ赤な紅玉は、可愛くて、一人で食べるにも手頃で、酸味がきいていて、アップルパイに入れてもおいしい。
 紅玉を食べていると、美しいが性格が悪い「トンボソのおひめさま」を思い出す。
彼女は、若者から宝物を取り上げようとしたが、リンゴ好きが災いして、罰として「30センチばな(鼻)のおひめさま」になってしまった。でも、おいしそうなリンゴの誘惑に負けてしまったところが憎めない。
(「トンボソのおひめさま」岩波書店)

「きょうの料理」

NHK「きょうの料理」が50周年ということで、昔の名人芸の再放送をしていた。やっていたのは、小野正吉(おのまさきち)のフランス料理。本人の手並みもさることながら、隣に控える助手の無言の連係プレーが見事。調理中のフライパンを受け取って炒め続けたり、必要な材料や器具をさっと手渡したり、まさに「あうんの呼吸」だった。

「Peacock Pie」

イギリスの詩人、Walter de la Mareの子ども向けの詩集、「Peacock Pie」を読んだ。
日常の暮らしの一こまを、目や耳など五感を研ぎ澄ませてみると、「sense of wonder」が感じられる。底知れぬ深みも感じられる。不気味さもたっぷり。
Ardizzoneの挿絵がぴったり。

浜名湖

静岡県西部の浜名湖あたりは、昔、遠江(とおとうみ)と呼ばれた。
滋賀県琵琶湖あたりは、近江(おうみ)だが、子ども時代は、地理的にも心理的にも浜名湖に近かったので、どうして近い方が遠くて、遠い方が近いのだろうと不思議に思っていた。昔の日本の中心、京都から見た「近い、遠い」だということが分ったのはかなり後だ。

ハーブ石けん

植物園のハーブ石けんの講習会に行ってきた。摘みたてのセージの葉に熱湯を注ぐと、薄緑色に染まって香りが漂ってくる。それとグリセリン少々を、粉状の石けん素地に加えて、よくこねる。セージの製油を数滴たらして、また混ぜる。それを丸めて、平たくし、セージの葉を髪の毛、ラベンダーの花を目、オレンジのマリーゴールドの花びらを口にして、女の子の顔にした。ラベンダー入りも作って、まん丸くして、セージの耳、マリーゴールドのひげのネコとウサギにした。粘土細工のようだ。
部屋中に、ハーブの香りが満ちあふれ、窓の外も緑がいっぱいのさわやかな秋晴れだった。

秋のコンサート

ヘルシンキ生まれのオッコ・カム指揮のコンサート。
最初は、フィンランドのシベリウス作曲「交響詩:吟遊詩人」。フィンランドの民族楽器「カンテレ」の響きをハープで表している。
次に、チャイコフスキー作曲「バイオリン協奏曲ニ長調」
バイオリンは、神尾真由子。二十一才だが、フレッシュさを通り越して堂々たる演奏。
最後は、同じくロシアのラフマニノフ作曲「交響曲第二番ホ短調」。
アンコールは、やはりシベリウス作曲「悲しいワルツ」
それぞれの曲が、それぞれの作曲家らしい雰囲気だが、背景に荒涼とした雄大な自然があるのが共通している。聞きながらヘルシンキはもう日が短くて寒いことだろうと思った。

晴明神社

 京都市、堀川今出川の一条戻り橋の晴明神社に行った。晴明にちなんだ五芒星の旗が立っている。平安時代の陰陽師安倍晴明の邸宅跡だそうだ。雨模様にもかかわらず若い年齢層が次から次へと訪れていた。
 名古屋市千種区に、小さな小さな晴明神社があるのを数年前に知った。昔からあったが、陰陽師ブームにあやかり整備したので有名になったようだ。そのあたりに、昔「清明山」というバス停があったが、安倍晴明にちなんだ地名だとは思ったこともなかった。

新幹線の窓から

名探偵ホームズは、列車の窓から見える線路際に立っている柱の間隔を知っていて、時計を見ながら列車の速度を計算した。ローラ・インガルスは、病気で失明した姉メアリーに、列車の速さを感じてもらおうと、柱が通り過ぎるたびに教えてあげた。
でも、新幹線の窓から見ていると電柱は飛ぶように流れ去っていき、とても数えてなどいられない。時の流れも昔より速くなったのだろう。

秋の味

サンマを焼いて、スダチと大根おろしを添える。出たばかりの里芋と油揚げとネギの赤だし。アスパラとキノコいろいろのバター炒め。リンゴも梨もあって、食卓は秋らしくなった。