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ペリ太郎

新しい携帯が来た。慣れない操作に悪戦苦闘して電源を切ると、黒い画面一面に指紋が付いていた。クリスティの短編で、ミス・マープルが、完璧なメイドに化けた泥棒の指紋を採るためにわざと持たせた手鏡を思い出した。

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苺のジャムとショートケーキ。どちらもこの時期の楽しみだ。

リヒテンシュタイン展

リヒテンシュタイン公国は、スイスとオーストリアの間にある人口3万5千人の小国で、現在はスイスと関係が深い。国家元首であるリヒテンシュタイン侯爵は、元々はハプスブルク家の重臣で、代々の侯爵は美術品を蒐集するのを使命とした。その所蔵品は3万点に上り、個人所有としては英国王室に次ぐ規模だそうだ。特にバロックのものが豊富で、今回展示された中では、ルーベンスが幼い娘クララを描いた肖像画が可愛かった。

南阿蘇と熊本の旅

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熊本県の南阿蘇は外輪山の内側にある。
まずは南阿蘇鉄道に乗った。
白川水源では清水がこんこんと湧き出ていた。
月廻(つきまわり)温泉の露天風呂に桜の花びらが舞いおちてきた。目の前に、阿蘇五岳の一つ根子岳(ねこだけ)が見えた。
南阿蘇鉄道の「南阿蘇水の生まれる里 白水高原」は日本一長い駅名だそうだ。
立野(たての)でJRに乗り継いで熊本へ。
熊本市のホテルの部屋からライトアップされた熊本城が見えた。

翌日は、「SL人吉(ひとよし)」号に乗った。ボーッと汽笛を鳴らし蒸気を吐きながら球磨川(くまがわ)に沿ってガタンゴトンと走っていく。車窓の風景に煙と煤のにおいがかかる。南下して人吉に着くと、SLは転車台でぐるりと反対向きになった。

三日目は、くま川鉄道に乗った。「くま1号」「くま2号」が連結されて二両編成になっていた。
人吉に戻り、九州横断特急で熊本へ。最後に市電で熊本城へ行った。

どこも緑が濃く、ツツジが大きくて、満開近い花が赤、ピンク、白と色鮮やかだった。「いきなりだんご」と、だご汁と高菜飯と、からしレンコンと熊本ラーメンと、春雨の太平燕(たいぴーえん)を食べた。

靫猿(うつぼざる)

茂山一門のお豆腐狂言会を見た。「真似」が出てくる三演目。

最初は、すっぱ(詐欺師)が、酔って寝込んだ田舎者から茶壺を盗もうとする「茶壺」。
次は、主人が客をもてなすため、作法を知らない太郎冠者に自分の真似をさせようとする「口真似」。
そして最後は、「靫猿」(うつぼざる)。大名が、靫(うつぼ)という矢を入れる筒に、子猿の皮をよこせと猿使いに命じる。芸達者な可愛い子猿役も立派な狂言師だった。

京都の桜

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北野白梅町行き嵐電は、桜のトンネルを通った。平野神社は、桜の種類が多く密集していてピンクから白のグラデーションが美しい。今出川通りの御所や、川沿いの桜、哲学の道から南禅寺、岡崎とどこも満開を過ぎたところで花吹雪が舞っていた。これぞ「日本の春」という風景だった。

「barmaid」になる「mermaid」

舞台はイングランド南東部サセックスのヒナギク野原。
旅人マーティン・ピピンが、6人の少女にお話をする。

フェアリーになりたい少年と人間になりたいフェアリーの話、
フェアリーも認めるなわとび名手の話、
食べても食べても太らない子豚の話、
掃除をさせられる海賊の話、
綺麗好きな7人姉妹に育てられた小さな煙突掃除夫の話、
居酒屋に勤める人魚の話など、登場人物もさまざま。

"Martin Pippin in the Daisy-Field" by Eleanor Farjeon

こぶしの花

こぶしの花が出てくる確か志賀直哉の随筆があった。車窓から早春の山並みを眺めていたら、こぶしの花が鮮やかに咲いていた、という内容だ。
それを読んでまだ見ぬ「こぶしの花」に憧れた。ところが何年もたってから実物を見たときは、まずがっかりした。白くて清楚で、桜や梅くらいの小ぶりな花を勝手に想像していたのだ。
綺麗に咲いているこぶしの花を見ると今でも、そのがっかり感を思い出してしまう。こぶしに罪はないのだが・・・。

やまのべのみち

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奈良市から桜井市に至る古代の道「山辺(やまのべ)の道」の途中を歩いた。なだらかな山並みを背景に、田畑の間をあぜ道が通り家々が散らばるのどかな景色が見渡せる。梅の花もかなり開いていた。
あちこちに古墳があるのが、さすが古代の都、奈良盆地だ。

天理市の石上(いそのかみ)神社は、紀元前の創建ともいわれ、古事記に登場する歴史ある神社。神の鶏といわれる鶏たちが、丸々と肥りつやつやの羽で元気良く鳴いていた。

お水取り

奈良市東大寺二月堂の「お水取り」の「お松明(たいまつ)」を見に行った。

これは、2月中旬から3月中旬の一ヶ月間にわたって行われる修二会(しゅにえ)の一部で、春を告げる行事として知られている。何と8世紀から1200年以上、一度も途切れず続いているそうだ。

大松明の炎が命あるもののように舞い、夜空に大量の火の粉が撒き散らされ、きらきらと地上に降ってきた。

炎をあげる青竹の大松明を木造の回廊で振り回すのは、厳しい修行の一環で、元々は神聖な宗教行事だが、宗教心の薄れた現代では、その幻想的な眺めをカメラが追い、終わると拍手が起きていた。