記事一覧

卵の殻の中から・・・

1939年生まれのドイツの絵本作家、ビネッテ・シュレーダー展を見た。
原画は、透明感があり、小さな絵なのに奥行と広がりが感じられる。

初めての絵本、「おともだちがほしかったルピナスさん」に登場するハンプティ・ダンプティが、「ラウラとふしぎなたまご」では殻が割れた後、なんと鳥になる。

ハンプティ・ダンプティは、英国伝承童謡のなぞなぞに出てくる人物(?)で、「不思議の国のアリス」のテニエルの挿絵が有名だ。要するに「卵」である。

どんなことをしても元に戻らないはずの割れた卵を、鳥の誕生という形で再生させた作者は、とてもハンプティ・ダンプティが好きだったのだろう。