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葵祭

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京都下賀茂神社の糺の森(ただすのもり)の新緑の下、総勢五百名以上、一キロに渡って葵祭の行列が進んでいく。みな葵の葉を身につけている。皇族の娘、斎王代(さいおうだい)を初めとして、馬に乗った検非違使(けびいし)など貴族の装束は、紅色、紺色、山吹色、草色などどれも華やかだが「はんなり」とでもいうのか和風の柔らかな色合いだ。一番下っ端の装束は白一色に黒い烏帽子で、葵の葉の緑色が、ひときわ映えていた。

新緑の季節

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森林公園に行った。木々の枝の葉をレースのように透かして青空が見える。小鳥がさえずり、風は爽やかで、日光にきらめく水は冷たい。「Wind in the Willows」のような物語が始まりそうな風景だった。

鯉のぼり

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川に綱を渡して鯉のぼりが吊るしてあった。川沿いに歩いていくと何列も何列も並んでいる。風が無いと洗濯物のようだが、今日は、おあつらえ向きのそよ風が吹いていたので爽やかな青空と新緑の木々の下、気持ちよさそうに川の上でなびいていた。

雑草

庭木の剪定を頼んで、庭がきれいになったので、心を入れ替えて草取りをしてみた。新緑の季節なので、つやつやした緑は見ているだけで心和むが、草は生命力たくましく取っても取っても生えてくる。野山に生えればのびのびと育ったものを、庭に生えたばかりに「雑草」として忌み嫌われるわけだが・・・。

BGM

名古屋の市バスに乗ったら、信号停車中にピアノ曲が流れる。最初は悪くないと思ったが、だんだん聞き飽きてきた。毎日聞き続ける運転手さんが少し気の毒になった。

冷泉家

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冷泉家は、藤原俊成、定家を祖とする和歌守(うたもり)の家として800年間、京都御所の北に居を構えてからでも400年間、有形無形の公家文化を守り伝えてきた。

その冷泉邸の歌会が行われる座敷の襖は、季節を感じさせない規則的な「牡丹唐草」模様で統一されていた。歌を詠む邪魔にならないためだそうだ。確かに、定家が選者となった新古今集のあたりは、見たままを読むのでなく、技巧的な想念の世界である。

天明の大火(1788年)でも類焼を免れたという「御文庫」「新御文庫」には歌集、日記など日本古典の基となる貴重な書が多数保存されている。

金銀を散らした豪華な料紙に筆で書かれた歌集は見るだけでも美しいが、定家は至る所に書き込みをしている。ある人の歌集に「一首も取るべき歌が無い」ときついコメントをしたものもあった。60年にわたって書いた日記「明月記」はたっぷり残されていたが、その文字は流れるように美しいというよりは、太い細いがはっきりした個性的なもので、味わいがあってなかなか良かった。本人は悪筆だと思っていたそうだ。朝廷の儀式の練習するため作った手製の小さな衣冠束帯姿の人形も残っていて、定家が生身の人に感じられた。

屋敷と書を見学して、「伝統を守り伝えていくのが使命だ」という代々の強い意志が印象に残った。

黄緑色の豆

少し前だが、サヤ入りグリンピース、ソラマメ、サヤエンドウ、サヤインゲンなどが、野菜売り場にたくさん並んでいた。豆ご飯にしたり、ゆでたものにバターを絡めたり、ただゆでただけでもおいしかった。春の色と味だった。

車窓のお花見

 電車に乗ったら車窓から満開の桜があちこちで見られた。予期せぬお花見である。川沿いの土手の桜並木や高台に数本まとまっているものや、山間の見事な一本や、住宅地に点在するものなど、いずれも華やかだった。やがて緑の木々に紛れてしまうが、今だけは桜色が誇らしげだった。

お豆腐狂言会

 桜がほぼ満開に近い日に、豆腐のように誰からも愛され飽きが来ず味わい深いという意味で「お豆腐狂言」と名乗る茂山一門の「春爛漫:茂山狂言会」を観た。
 演目は、都に年貢を納めに行った筑紫と丹波の百姓が、笑う競争をするはめになる「筑紫の奥(つくしのおく)」、主人の恋文を運ぶ途中で破ってしまい焦る太郎冠者と次郎冠者の「文荷(ふみにない)」、そして、珍しく有名人の主人公、在原業平が道中の茶屋で、餅の代価に不細工な娘を押し付けられ右往左往する「業平餅(なりひらもち)」。
 最後の演目は、茂山千作から、双子のひ孫までの四代が共演するというもので、楽しいと同時に未来へ続く伝統を感じさせられた。

薬師寺

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奈良の薬師寺は、広々とした敷地にゆったりと建物が建っている。その中心となる東塔は、1300年前に建てられたものだ。薄墨桜の満開を過ぎた散り加減が、その花の色の落ち着いた雰囲気に合っていた。

平山郁夫が描いた玄奘三蔵の旅をたどる「大唐西域壁画」は、天井に星空が描かれていたが、作者独特のラピスラズリの群青色が印象的だった。