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名古屋二題

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「名古屋まつり」の行列に偶然行き合わせた。からくり人形を乗せた山車が並んでいた。
名古屋城の天守閣には、金の鯱(しゃちほこ)が秋晴れの空にピカピカ輝いていた。

「真珠の耳飾りの少女」

オランダのマウリッツハイス美術館展で、17世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメールの「真珠の首飾りの少女」を見た。数年前に来日した時は、意外と小さな絵だと思ったくらいだが、今回は落ち着いて見た。画家独特の青と黄色に真珠が輝く上品で静謐な雰囲気。ふと振り返った少女の表情が魅力的。一瞬の時が絵の中に永遠に閉じ込められている。

鐘の音

英国の教会の塔の鐘はメロディーを奏でるのではなく、8個の鐘の鳴らす順番を決め、それを繰り返すのだそうだ。単純だが、数多くの組み合わせがあり、演奏に長時間かかるものもあるという。その練習に使われたのがハンドベルだそうだが、こちらはいまや立派な楽器になっている。

お気に入りの画

窓から山と空が見える。今朝は、山の稜線がはっきりして、うす雲がたなびく秋晴れの風景。季節と時刻によって刻々と色合いが変わる。
どんなに美しいときでも、保存しておけないのが残念。

「豆になりたくない!」

春にロンドンで買ってきた絵本。パステルカラーの絵が明るく楽しい。

カバのHugoと、小鳥のBellaが、「昔話の仮装パーティー」に、どんな役で行くか相談している。

「お姫さまと豆」(Princess and the Pea)では、ベラは豆になりたくない。
「人魚と岩」では、ヒューゴは岩になりたくない。
「王様と道化師」では、ベラは道化師になりたくない。
「シンデレラとカボチャ」では、ヒューゴはカボチャになりたくない。

喧嘩した二人は、それぞれ反省し、二人とも最初の話のお姫さま役を相手に譲ることにする。二人とも「豆」役になり、
"And we're two peas in a pod"で、めでたしめでたし。

「Princess and the Pea」の元は、アンデルセンの「布団を何枚も何枚も重ねた下のエンドウ豆が気になって寝られなかった『本物のお姫様』」のお話。
「pea」の使い方が面白いが、「two peas in a pod」は、日本語では「うりふたつ」なので、豆でなく瓜だ。

"I don't to be a pea!" by Ann Bonwill & Simon Rickerty, Oxford University Press

奈良県北部の旅

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奈良県北部の信貴山(しぎさん)は、巨大な張り子の虎と、絵巻で有名なお寺。電車とケーブルカーとバスとを乗り継いで「行った」というより「登った」といった方が相応しく、着いてからも石段ばかりだった。

翌日は、奈良市街地からバスで一時間程の柳生(やぎゅう)の里に行った。徳川家康に仕えた剣術家、柳生宗矩(やぎゅうむねのり)らの出身地。
天立石(あまのたていし)神社は、天岩戸(あまのいわと)の破片が飛んできたとかいう巨石を祭ってあった。
奈良市内なのに、緑の山に囲まれ、車もめったに通らないので夏のセミと秋の虫の音が水のせせらぎに混じって聞こえ、モミジの枝が色づき始めていた。

ツクツクボウシ

涼しい夜風のなか、木の上でツクツクボウシが元気に鳴いていた。夏の終わりを感じさせるセミなので一か月遅いが、遅まきながら行く夏と来る秋が一緒になっていた。

花形狂言

茂山家の若手5人による創作狂言を見た。
前半は、伝統狂言らしくしてあったが、後半の3本は、警備員や黒スーツに黒メガネの泥棒が登場し、「それがしは・・・」としゃべっていた。狂言特有の軽妙で乾いた笑いは、創作ものにも共通していた。

踊らないdance

10歳の少女、グリゼルダは、110歳のひいばあちゃんと二人で暮らしている。グリゼルダというのは、この家に代々伝わる名前だ。彼女は、ひいばあちゃんのグリゼルダが寝るときに子守唄を歌ってあげる。その歌は、初代グリゼルダのために書かれ、代々伝わってきたものだった。

その歌詞は、"And I Dance Mine Own Child!"。

「dance」には、「(赤ちゃんを)揺すってあやす」という意味があるので、直訳すれば「私の赤ちゃんを揺すってあやしてあげる」。

グリゼルダとひいばあちゃんは、この歌が手書きで書かれていた代々伝わる本のおかげで幸せに暮らせるようになる。
しっかりものでけなげなグリゼルダと、ひいばあちゃんのやりとりがほのぼのと楽しい。挿絵がぴったり。


'The Little Bookroom' by Eleanor Farjeon, illustrated by Edward Ardizzone

私は誰?

「私が私であることを証明するには如何にすべきか?」
哲学の問題のようだが、市役所や銀行で身分証明書を忘れるたびに持ち上がる難問である。