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奈良県北部の旅

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奈良県北部の信貴山(しぎさん)は、巨大な張り子の虎と、絵巻で有名なお寺。電車とケーブルカーとバスとを乗り継いで「行った」というより「登った」といった方が相応しく、着いてからも石段ばかりだった。

翌日は、奈良市街地からバスで一時間程の柳生(やぎゅう)の里に行った。徳川家康に仕えた剣術家、柳生宗矩(やぎゅうむねのり)らの出身地。
天立石(あまのたていし)神社は、天岩戸(あまのいわと)の破片が飛んできたとかいう巨石を祭ってあった。
奈良市内なのに、緑の山に囲まれ、車もめったに通らないので夏のセミと秋の虫の音が水のせせらぎに混じって聞こえ、モミジの枝が色づき始めていた。