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遠鉄

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天竜浜名湖鉄道は、静岡県西部の浜名湖に沿って緑の中をのんびり走る。途中の西鹿島(にしかじま)駅で遠州鉄道に乗り換えてみた。こちらは赤が主体の二両編成で立ち姿からシャキッとしていると思ったら、本数も多く住宅地の中を走る現役電車だった。「天浜線」ののどかな風情とは正反対。30分ほどで終点の新浜松駅に着いた。

ライオンハート

ロビンフッドの話に登場するリチャード一世は「獅子心王」と呼ばれる。「Ivanhoe」の中では「Coeur De Lion」と呼ばれていた。ノルマンなのでフランス語。英語では「Richard the Lionhearted」になる。確かに直訳だ。

「Ivanhoe」覚え書き

英国のSir Walter Scott作「Ivanhoe」は、アーサー王伝説、ロビンフッド伝承、シェイクスピアなど取り入れた中世騎士物語の古典である。

舞台は、12-13世紀イングランド。獅子心王リチャード一世が十字軍遠征で囚われの身になった隙に、王弟ジョンが王位簒奪を企てる不穏な世の中で、サクソンとノルマンの対立が続いている。

騎士の鍛錬と娯楽を兼ね、ジョンが盛大な槍試合を開いた折、個人戦、団体戦共にアイヴァンホーと名乗る騎士が勝ち、その名誉をサクソンの姫ロウィーナに捧げる。

アイヴァンホーは、実はサクソンの族長の息子だが、ノルマンのリチャードに仕える騎士になったため父から勘当されている。服装など文化が違うし騎士になると封土を献上しなくてはならないからだ。

アイヴァンホーが助け、又助けられたユダヤ人の高利貸しイサクは、キリスト教徒からもイスラム教徒からも嫌われ蔑まれているが、ジョンや修道院長や貴族に金を貸す大金持ちだ。シャイロックを彷彿とさせる。

もめ事は一対一の試合で解決する。ノルマンの騎士は、手袋を投げるのが挑戦のしるしで槍と剣を使う。サクソンは斧。森人は弓矢や六尺棒(quarter staff)を使う。

ロクスリー、実は伝説の義賊ロビンフッドが魅力的。弓の名手で、ヤナギの枝を立てたものを的にして、真ん中に命中させ枝を真っ二つに裂く。敵に対し「クリスマスのベーコンの塊に刺したクローブのように矢で串刺しにしてやる」の例えが面白い。バラッドでしか伝わっていないロビンフッドのイメージ形成に、この作品が影響を及ぼした。

リチャードは女嫌いの冒険好きで政治にはあまり興味がなさそう。王に対する作者の皮肉な視線も感じられる。

若い頃にサクソンの父兄を殺され、ずっと囚われの身となっているウルリカは火事を起こして復讐を果たすが、同世代の騎士は現役なのに「老婆」扱いなのが悲しい。ちなみに、その過酷な運命は、サトクリフ「ともしびをかかげて」のアクイラの妹フラビアも同じだが比べるとフラビアは幸せになった方ではないかと思われる。

ユダヤ人の高利貸しイサクの娘、美しいレベッカは、医薬の知識を持ち、テンプル騎士の求愛を拒絶し続けたため火あぶりの刑を宣告される。アイヴァンホーに槍試合で助け出されるが、その誇り高い姿が印象的。

「サクソンとノルマンが融合し英語が話されるのは、後のエドワード三世の時代である」で話は終わる。ノルマン優位だが、言語などにサクソン文化も交わってイングランドひいては現在の英国に繋がっていったのが良く分かる。

'Ivanhoe' Sir Walter Scott1819

本を買う決め手

Sir Walter Scottの「Ivanhoe」を読みたくなった。ネットで探したら、新品で500ページ以上あって英国からの運賃込みだろうに何と294円だった。岩波文庫の訳本より遥かに安い。読み通せるかどうか悩んだ末、原書にしたが、幸い意外に面白かった。原書か訳本かどちらにするかを値段で決めるというのは問題なような気もするが・・・

嵐電

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京都の四条大宮から西へ向かう京福電鉄嵐山線、通称「嵐電(らんでん)」に乗った。一両しかない小さな電車で緑の山に向かって途中は道路を走る。終点の嵐山の渡月橋あたりで今年初めてツクツクホウシの声を聞いた。暑いけれど秋が近づいている。

ニンジン

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5月初めにニンジンの苗を貰って以来、植木鉢に植え替えたり間引いたり旅行中の水やりを気にしたりと世話をしてきたが、いよいよ最後の一本を抜いて天ぷらにした。根はオレンジ色でこりこりと歯ごたえがあり、緑の葉っぱがとても立派なニンジンだった。

尾張徳川家

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名古屋市の徳川美術館は、源氏物語絵巻と雛飾りが有名だ。その他の尾張徳川家の所蔵品は、刀、鎧兜、火縄銃などの武器から、武士のたしなみの茶道具、能装束、輿入れしてきた姫たちの豪華な婚礼道具、衣装、それに「蓬左(ほうさ)文庫」の書物まで様々あり、江戸時代の将軍家を頂点とする大名の生活を垣間見ることができる。すっきり洗練されてはいないが豪華で重厚な雰囲気の品々だった。

ヤギ

スイスの絵本作家ホフマンの原画は、透き通るような色彩だった。病気の子どもの為にグリム童話を絵本にしたのが最初だそうだ。4人の子どもたち各々に宛てた手作り絵本は愛情に溢れていた。

「7ひきのこやぎ」の母ヤギが、オオカミに負けない程しっかりして強そうなのが印象的だった。そういえばノルウェーの昔話「3びきのやぎのがらがらどん」や、ノルウェーの農場生活を描いた「小さな牛追い」「牛追いの冬」でも、ヤギは強かった。

能登半島

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7月半ばに石川県能登半島に行った。半島の東側、七尾湾に囲まれた能登島(のとじま)のガラス美術館は、銀色の宇宙船のような建物だった。清朝の色ガラスや、ダリのデザインによるふにゃふにゃ時計が面白かった。近くの和倉温泉泊。

半島の西側の巌門(がんもん)は岩に穴が開いていて小舟なら通ることができるそうだ。岩と海の風景はなかなか雄大だった。

千里浜(ちりはま)は、長い海岸線が続くのどかな海水浴場だが、その砂浜を車が走る珍しいところだった。

日本海を背景にしたこのあたりの風景は、照りつける真夏の明るい太陽の元でも厳しさや荒々しさが強く感じられた。

祇園祭

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京都の新町通りでは「放下(ほうか)鉾」を建てていた。木材を縄で巻いているが、鉾の部分は横にしてもずいぶん長かった。

四条通りでは「長刀鉾」の曳き初めがあった。囃子方や稚児も乗り込み、祇園囃子と「エンヤラヤー」の掛け声と扇の振りに合わせて大きな鉾がゆらりと動いた。車輪がぎしぎし音を立てるのを聞くと、木製だったと思い出す。

山鉾の外側を飾る布の中には、16世紀にベルギーで製作され輸入されたタペストリーを切り分けたものもあるそうだ。トロイア戦争や旧約聖書を題材にしているが、キリシタン禁制の時代も生き延びてきた。7世紀から続いてきた祇園祭の歴史を思いながら鉾を眺めた。