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"Warrior Scarlet"

題名は「戦士の緋色」。部族の少年たちは、三年間の訓練を経て狼を仕留めると一人前の戦士として認められ、戦士だけに許される「緋色」を身に纏うことができる。片腕の少年、Dolemにとってその道は遠く険しいが、狩人のTaloreや羊飼いのDoliが力になり、また忠実な愛犬、Whitethroatが寄り添う。

作者の前書きにあるように、ホメロスが描くトロイア戦争の世界のような英雄不在で、それより遥かに原始的な英国の「青銅器時代」を舞台にこれほど魅力的な人々が描かれたのが素晴らしい。

"Warrior Scarlet" by Rosemary Sutcliff, 1958

早咲きの梅

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川沿いの紅梅が日差しを浴びてちらほら咲いていた。今年は特に早い。

十日えびす

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兵庫県西宮市の西宮神社は、毎年一月九日からの三日間、「十日えびす」で賑わう。大マグロが奉納され、たくさんの屋台が軒を連ねる。九日は「宵えびす」。「本えびす」の今朝は「開門神事福男選び」が行われた。十一日は「残り福」。今年は連休に重なり暖かいので例年以上の人出である。

「100のモノが語る世界の歴史」

「大英博物館展」を見た。
国を問わず、年代順に100点のモノが展示されていた。

・メソポタミアの大洪水伝説を語る粘土板。旧約聖書のノアの箱舟より古いギルガメシュ王の伝説。
・100年頃のイタリアのミトラス神像。キリスト教に負けてしまった。
・400年頃のイギリス、ホクスン(地名)の銀製胡椒入れ。優美な貴婦人の上半身を模している。ローマ軍がブリタニアから撤退したときにローマ人が埋めたものだそうだ。(40-410)
・日本から選ばれたモノ。
①紀元前5000年頃の縄文土器。19世紀になって蓋が付けられ、内側に金貼りをされて茶道具になっていた。それを所蔵していたのは、シーボルトの息子だそうだ。
②1400年頃の韓国の磁器、粉青沙器(ふんせいさき)の欠けた椀が、日本で金継ぎされたもの。茶道の茶碗として珍重されたそうだ。
③19世紀の北斎漫画。開国後、西欧に流出して人気を博した。

英国から見た日本という点でも興味深かった。
説明の世界地図が大西洋中心なので、日本は昔の言い方だと正に「極東」にあった。
英国は、明治時代の日本から見れば「大英帝国」だったが、ヨーロッパ大陸の中では辺境にあり歴史も浅い。だから、古いものを蒐集するのに情熱を傾けたのだろう。

見終わって、果たして人類は進化しているのか、いないのか、複雑な気分になった。

新年にあたって

長年の懸案に着手した。

第21回神戸ルミナリエ

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ルミナリエは、1995年、阪神淡路大震災が起きた年に鎮魂と復興の願いを込めて始まった。灰色の瓦礫の町が、魔法で夢の国になったような気がしたものだ。
今年は、LEDになったので色調が変わった。

猫と一角獣と薔薇と

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「北欧から届いたファンタジー、切り絵作家アグネータ・フロックの世界展」を見た。
1941年、スウェーデン生まれの作者は、テキスタイル作家として40年以上活動した後、切り絵を始めたそうだ。
会場に、作者が切り絵を製作中のビデオが流されていたが、白い紙をサクサク切って、それにさらさら色をぬって、とても楽しそうに作っていたので見ている方も楽しくなった。
作者自身もいろいろな絵の中に登場している。
独特な雰囲気の絵で、不思議な世界に迷い込んだような感じがした。

源氏物語絵巻

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「国宝 源氏物語絵巻」展を見た。

「尾張徳川家伝来で徳川美術館所蔵の9帖15段分の詞書(ことばがき)と絵、および詞書だけの1段」と「阿波の蜂須賀(はちすか)家伝来で五島美術館所蔵の3帖4段分の詞書と絵」の「全点一挙公開」である。

絵は、墨書きの下絵に彩色し、目鼻や文様を描く「作り絵」や、屋根を取り去った屋内の情景を描く「吹抜屋台(ふきぬきやたい)」という手法で描かれている。
人物の顔は、一見単純な「引目鉤鼻(ひきめかぎはな)」だが、じっと見ていると表情が分かってくる。

詞書(ことばがき)は、文章の一部を抜き出したもので、金箔を散らした美しい料紙に、古来からの流麗な「連綿体(れんめんたい)」や、当時新しく流行した力強い「法性寺流(ほっしょうじりゅう)」などの書風で書かれている。

「宇治十帖」の「東屋(あずまや)1」の絵には、憂いに沈む浮舟を慰めようと、中君が右近に文章を読ませ、浮舟が絵を見ている場面が描かれている。それが、当時の絵巻の楽しみ方だったようだ。
以上、パンフレットなどから学んだことだ。

千年以上前に書かれた「源氏物語」は、写本や注釈書が数多く作られ、江戸時代の武家の姫から花魁にまで欠かせない教養の書として読まれ、絵が家具調度品を飾り、「源氏香」や、歌舞伎にも取り入れられ、ずっと親しまれてきた。
その中でも、この絵巻は現存する最古のもので12世紀前半に宮中で作成されたそうだ。全帖の絵巻が出来上がった当時は、さぞ豪華絢爛なものだっただろうと、これは想像するしかない。

頁岩(けつがん)

「地下の洞穴の冒険」は、原作は1950年に英国で出版されたもので、夏休みのある日、五人の少年が近くの鍾乳洞を探検する話だ。
洞穴の暗闇の中を、彼らは出口を探して進んでいく。途中で、行く手を塞ぐ「頁岩(けつがん)」を、力を合わせ「たがねとハンマー」で打ち砕く。

調べてみたら、「頁岩」とは堆積岩で、本のページ(頁)のように薄い層が重なっているので、割れやすく、又この層の中に石油が埋まっている種類があるそうだ。そして、「頁岩」は、英語で「shale」といい、その中の石油が「shale oil」なのだそうだ。
昔の物語の世界から、一気に現代世界に帰ってきた。


(「地下の洞穴の冒険」リチャード、チャーチ作、大塚勇三訳、岩波書店)