記事一覧

ツクツクボウシ

涼しい夜風のなか、木の上でツクツクボウシが元気に鳴いていた。夏の終わりを感じさせるセミなので一か月遅いが、遅まきながら行く夏と来る秋が一緒になっていた。

花形狂言

茂山家の若手5人による創作狂言を見た。
前半は、伝統狂言らしくしてあったが、後半の3本は、警備員や黒スーツに黒メガネの泥棒が登場し、「それがしは・・・」としゃべっていた。狂言特有の軽妙で乾いた笑いは、創作ものにも共通していた。

踊らないdance

10歳の少女、グリゼルダは、110歳のひいばあちゃんと二人で暮らしている。グリゼルダというのは、この家に代々伝わる名前だ。彼女は、ひいばあちゃんのグリゼルダが寝るときに子守唄を歌ってあげる。その歌は、初代グリゼルダのために書かれ、代々伝わってきたものだった。

その歌詞は、"And I Dance Mine Own Child!"。

「dance」には、「(赤ちゃんを)揺すってあやす」という意味があるので、直訳すれば「私の赤ちゃんを揺すってあやしてあげる」。

グリゼルダとひいばあちゃんは、この歌が手書きで書かれていた代々伝わる本のおかげで幸せに暮らせるようになる。
しっかりものでけなげなグリゼルダと、ひいばあちゃんのやりとりがほのぼのと楽しい。挿絵がぴったり。


'The Little Bookroom' by Eleanor Farjeon, illustrated by Edward Ardizzone

私は誰?

「私が私であることを証明するには如何にすべきか?」
哲学の問題のようだが、市役所や銀行で身分証明書を忘れるたびに持ち上がる難問である。

夏の港

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8月も末なのに真夏の暑さが続く。照りつける太陽と、その光を跳ね返す海。どちらも強い。

「眠りながら縄跳びをするエルシー・ピドック」

少女エルシーは、生まれながらに縄跳びの名手。その噂を聞きつけた妖精にも認められ、夜に眠りながら、いろいろ不思議な技を教わった。けれど成長して、子ども用の縄が短くなったとき、不思議な跳び方はできなくなってしまった。

その後、百年以上の月日が経ったとき、村の子どもたちや妖精たちが縄跳びを楽しんでいた丘に、悪い領主が工場を建てようとした。そこに現れたのはエルシー。年老いて小さくなり、再び子どもの頃の縄が使えるようになった彼女は、夜、眠りながら不思議な跳び方を駆使して悪い領主に立ち向かう。

月を跳び越える「High Skip」、地中深く潜る「Strong Skip」など、色々な跳び方に合わせた縄跳び歌が調子よくて楽しい。ファージョンらしい不思議な雰囲気のお話。


"Elsie Piddock Skips in her Sleep" by Eleanor Farjeon

鰻丼

夏は鰻の季節。大好物というわけではないが、決まった店で一度は食べなくてはいけない気になる。

その店は、夕方五時になると暖簾がかかり、店の外まで蒲焼きの香ばしい匂いが漂っていた。丼や長焼きの他には、鰻巻き(うまき)を頼んだ。一人ずつラッキョウを添えた熱々の厚い一切れの後、残ればお土産になった。

小さいころは背伸びすると調理場が見えた。職人さんが、串を打った鰻を炭火で焼きながら、時々タレにどぼんと浸していた。そのとなりでは、溶いた黄色い玉子汁を四角い鉄の鍋で調子良くひっくり返しながら焼いていた。それが「うまき」つまり「鰻入り出し巻き」だと気がついたのは、かなり後だ。

一緒に行く家族も状況も変わったが、店の味は変わらない。これが伝統の店の良さだろう。

ボストン美術館展

ボストン美術館には、明治初期に来日したフェロノサや弟子の岡倉天心が蒐集した仏像や日本画や絵巻が数多く残されている。廃仏毀釈により棄てられたものを保存してくれたという点で、今となっては感謝すべきだろう。

18世紀後半、江戸時代の曽我蕭白(そがしょうはく)の「雲龍図」は、襖八帖に巨大な龍が描かれた水墨画で、勢いと迫力があるが、龍の表情が何ともユーモラスだ。

遣唐使、吉備真備の活躍が楽しい「吉備大臣入唐絵巻」と、劇画的な「平治物語絵巻」は、まさに今のアニメの祖先だと思われた。

ボローニャのパスタ

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ボローニャ土産に生ハム入りパスタをもらった。袋の指示通りに、ケッパー、黒オリーブ、トマト、モッツァレラを揃えて作ってみたら、いつもと一味違う出来上がりになった。

靴の家

アメリカでは狭い家を靴箱(shoe box)に例えると聞いて
英国伝承童謡の
「There was an old woman who lived in a shoe」を思い出した。

「靴の中に住んでいるおばあさんは 子だくさんで大変
 スープだけ飲ませて 鞭でたたいてベッドに入れた」

という歌だ。