funini.com Crane 2011年

No more twist! (2011/12/25)

クリスマスの絵本の中で好きな本の一つが
「The Tailor of Gloucester(グロースターの仕立て屋)」だ。

イギリスには、クリスマスイブに大聖堂の鐘が鳴り始めてから翌朝に鳴り終わるまでは、すべての動物が話すことができるという言い伝えがあったそうだ。このお話では、その間に、病気になった仕立て屋のかわりにネズミたちが仕事を引き受けてくれる。

捕まえておいたネズミを仕立て屋が逃がしたことを知って、ネコのシンプキンは怒って「twist」を隠してしまう。「twist(より糸)」は、糸をよって作るという製法からきているが、日本語では、ボタン穴をかがるという用途から「穴糸」という。「twist」が足りなかったボタン穴を残して、ネズミたちがこっそり仕上げた上着の刺繍の絵も素晴らしい。

(「The Tailor of Gloucester」by Beatrix Potter)

ケルティック・コーラス「アヌーナ」 (2011/12/16)

アイルランドのコーラスグループ「アヌーナ」の合唱を聴いた。
解説によれば、中世の宗教曲や聖歌を古い書物から発掘し、元々は男性のユニゾンで歌われていたものを、現代的アレンジを加え混声合唱にしているそうだ。聴いていたら、ケルトの神話のダーナ神族や、それを書き残した聖パトリック後の修道僧のことが思い浮かんだ。

広島の旅 (2011/12/04)

アップロードファイル 326-1.jpgアップロードファイル 326-3.jpgアップロードファイル 326-4.jpgアップロードファイル 326-5.jpg

新幹線さくらに初めて乗ってみた。終着駅「鹿児島中央」の表示が新鮮だが、今回は広島で途中下車。

広島市の大通りのライトアップは、お城や船や汽車など多彩だった。

広島市に近い宮島は古代から島そのものが神として信仰され、12世紀の平安時代末に平清盛が厳島神社(いつくしまじんじゃ)の社殿を造営した。干潮後、ひたひたと潮が満ちてきて大鳥居や回廊が水に浸る眺めは印象的た。

神社奥の紅葉谷公園では、紅葉の絨毯を子鹿が歩いていた。

ギリシア神話雑感 (2011/12/02)

ギリシア神話は、ギリシアが大好きなローマ人によって、ローマ土着の神話と重なりながら、文学、彫刻に残された。その後、現代に至るまで美術や文学の題材となっているし、「トロイの木馬」というコンピューターのウィルス名もある。

ギリシア神話に登場する女性といえば、美しくて英雄に助けられたりゼウスに誘拐されたりする役回りが多い中で、知恵あるメデイアは、アルゴ号で金羊毛を取りに行ったイアソンを助けたが、魔女であり希代の悪女として描かれる。一方、女神たちは、ヘラ、アテナ、アルテミス、アフロディテと勇ましくのびのびしている。

チューブ入り絵具 (2011/12/01)

19世紀後半にフランスで興った印象派は、鮮やかな色彩と光の描き方が特徴だが、これには19世紀中頃に発明されたチューブ入り絵具が役立っているそうだ。それまでは色を作るのは職人技だったが、これにより誰でも手軽に綺麗な色が出せるようになり、また戸外で制作できるようになったからだ。道具の発達が芸術に影響を与えているのが面白い。

(ワシントン・ナショナルギャラリー展)

1が6つ (2011/11/11)

今日は小雨の肌寒い一日だったが、2011年11月11日。1が6つ並ぶのは100年に一度だそうだ。その記念すべき11時11分11秒、残念ながら気づかずに普通に過ぎてしまった。

正倉院展 (2011/11/10)

奈良の正倉院には、八世紀の聖武天皇と光明皇后ゆかりの品や、東大寺大仏開眼会(え)に使われた仏具などが収められている。毎年秋の正倉院展では、九千件ともいわれる宝物から六十件ほどが展示される。

今年は、蘭奢待(らんじゃたい)と呼ばれる香木があった。この名の中には「東大寺」という文字が隠されている。一見枯れ木風だが、織田信長や明治天皇が切り取ったといわれる跡が残っている。

赤銅柄香炉(しゃくどうのえごうろ)は、儀式などのとき僧が手に持って香を焚き仏を供養し室内を静める道具だそうだが、お雛様の三人官女のひとりが持つのに似ていた。

紅牙撥縷尺(こうげばちるのしゃく)は、象牙を染めて文様を彫った三十センチほどの物差しで、儀式に使われたらしい。赤の色が鮮やかで、鹿を追う虎や植物などが細かく細かく彫られている。

金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんそうのからたち)は、聖武天皇愛用の品で、白鮫の皮が巻かれ、透かし模様と宝石で飾られた金具の柄が美しい。どれも専門用語で名前が難しく、英語の説明の方が簡単で判りやすいことも多かった。

「カエルはカエル」 (2011/11/09)

「Kikker is Kikker」(Max Velthuijs作)という絵本をオランダ土産に貰った。

カエルが、友だちのアヒルのように飛べないし、ブタのように美味しいケーキが焼けないし、ノウサギのように本が読めないと落ち込むか、ノウサギに「君は、すてきな緑色だし泳げるし跳べるじゃないか」と言われて、自分の個性に気づいて元気になるという話らしい。

蛙は、英語「frog」、フランス語「grenouille」、ドイツ語「frosch」、イタリア語「rana」だそうだ。辞書を引いても活用形が違うのでさっぱり分からないオランダ語だったが、この単語に関しては「k」音で始まるところが日本語と同じで少し親近感を感じた。

フジバカマ (2011/11/02)

アップロードファイル 320-1.jpg

秋の七草の一つ、藤袴は名前も薄紫の色も風情がある。

Jack-o'-Lanternもどき!? (2011/11/01)

アップロードファイル 319-1.jpg

昨日まで街はオレンジと黒の「ハロウィーン」の飾り付けが目立っていた。単なる売込み戦略とケチをつけながらも、便乗してカボチャ入りクッキーを作ってみた。顔はカボチャの皮。

puffin (2011/10/11)

福島県の水族館「アクアマリンふくしま」に、エトピリカ(Tufted Puffin)がいた。ペンギンと同じように黒と白だが、ころっとした体型で橙色の嘴が印象的だ。「PUFFIN BOOKS」は「PENGUIN BOOKS」の児童書なので、パフィンはペンギンの子どもだと長いあいだ思っていたが違う種類だった。

蔵王とコキア (2011/10/10)

アップロードファイル 317-1.jpgアップロードファイル 317-2.jpgアップロードファイル 317-3.jpg

山形市内の蔵王温泉に行った。大きなロープウェイで鳥兜(とりかぶと)山頂に登り、そこから一時間ほどかけてドッコ沼まで散策した。

翌日は早朝に露天風呂へ。木々に囲まれた青空の下、源泉が流れる音が聞こえ、強酸性のにごり湯の硫黄のにおいが独特な雰囲気だった。

蔵王温泉から別のロープウェイで地蔵山頂に。そこから熊取岳、馬の背、お釜の横を歩いて宮城県側の刈田岳に出た。霧で何も見えなかった。下るときの蔵王エコーラインからの紅葉はなかなか綺麗で、山頂の霧が信じられないほどだった。

茨城県の「ひたち海浜公園」はコキアが真っ赤だった。コキアは、和名「ホウキグサ」といい枝を束ねて箒にしたそうだ。赤くなるのは茎らしい。遠くからは見栄えがする。

糸紡ぎ (2011/10/05)

パイを5つ食べてしまったのを、糸を5かせ紡いだと誤解された怠け者の娘が王妃になる。代わりに糸を紡いでくれた黒い小人の名前を当てるはめになり、困った王妃の話が、イギリス民話のトム・ティット・トットである。麻でなく羊毛だが、ほんの少し紡いでみて、その大変さが分かった。確かに糸を紡ぐより名前を考えた方が楽そうだが・・・。

変身 (2011/10/04)

アップロードファイル 315-1.jpgアップロードファイル 315-2.jpg

スピンドル(spindle)という手紡ぎ道具が手に入ったので、家にあった羊毛を紡いでみた。悪戦苦闘の挙句、ふわふわした綿の固まりが毛糸になり小さな敷物になった。綿の元は、10年ほど前にオーストラリアでヒツジから刈り取ったべたべたで灰色の汚いものだったので、その変身振りを思うと感無量。

(cf. 2008年7月21日「ふわふわ」)

「茶壷」 (2011/10/01)

狂言の茂山逸平と日舞の尾上菊之丞(青楓改め)の共演の舞台を観た。狂言と舞踊それぞれに古典作品として在る「茶壷」を、狂言の台詞と日踊を組み合わせて新しい作品に仕上げていた。旅人の茶壷をスリが騙して取り上げようとするが、結局、どちらが持ち主かを裁く代官に騙し取られてしまう。代官の前で茶の由来を語る踊りをスリが真似しながら踊るところが秀逸。古い作品をそのまま伝えるのでなく、今に合わせて発展させていくのも伝統の継承だと思った。

葡萄 (2011/09/19)

アップロードファイル 313-1.jpg

山形県寒河江(さがえ)の産地直送ピオーネが来た。美味しかった。

遠鉄 (2011/09/16)

アップロードファイル 312-1.jpgアップロードファイル 312-2.jpg

天竜浜名湖鉄道は、静岡県西部の浜名湖に沿って緑の中をのんびり走る。途中の西鹿島(にしかじま)駅で遠州鉄道に乗り換えてみた。こちらは赤が主体の二両編成で立ち姿からシャキッとしていると思ったら、本数も多く住宅地の中を走る現役電車だった。「天浜線」ののどかな風情とは正反対。30分ほどで終点の新浜松駅に着いた。

ライオンハート (2011/09/03)

ロビンフッドの話に登場するリチャード一世は「獅子心王」と呼ばれる。「Ivanhoe」の中では「Coeur De Lion」と呼ばれていた。ノルマンなのでフランス語。英語では「Richard the Lionhearted」になる。確かに直訳だ。

「Ivanhoe」覚え書き (2011/09/02)

英国のSir Walter Scott作「Ivanhoe」は、アーサー王伝説、ロビンフッド伝承、シェイクスピアなど取り入れた中世騎士物語の古典である。

舞台は、12-13世紀イングランド。獅子心王リチャード一世が十字軍遠征で囚われの身になった隙に、王弟ジョンが王位簒奪を企てる不穏な世の中で、サクソンとノルマンの対立が続いている。

騎士の鍛錬と娯楽を兼ね、ジョンが盛大な槍試合を開いた折、個人戦、団体戦共にアイヴァンホーと名乗る騎士が勝ち、その名誉をサクソンの姫ロウィーナに捧げる。

アイヴァンホーは、実はサクソンの族長の息子だが、ノルマンのリチャードに仕える騎士になったため父から勘当されている。服装など文化が違うし騎士になると封土を献上しなくてはならないからだ。

アイヴァンホーが助け、又助けられたユダヤ人の高利貸しイサクは、キリスト教徒からもイスラム教徒からも嫌われ蔑まれているが、ジョンや修道院長や貴族に金を貸す大金持ちだ。シャイロックを彷彿とさせる。

もめ事は一対一の試合で解決する。ノルマンの騎士は、手袋を投げるのが挑戦のしるしで槍と剣を使う。サクソンは斧。森人は弓矢や六尺棒(quarter staff)を使う。

ロクスリー、実は伝説の義賊ロビンフッドが魅力的。弓の名手で、ヤナギの枝を立てたものを的にして、真ん中に命中させ枝を真っ二つに裂く。敵に対し「クリスマスのベーコンの塊に刺したクローブのように矢で串刺しにしてやる」の例えが面白い。バラッドでしか伝わっていないロビンフッドのイメージ形成に、この作品が影響を及ぼした。

リチャードは女嫌いの冒険好きで政治にはあまり興味がなさそう。王に対する作者の皮肉な視線も感じられる。

若い頃にサクソンの父兄を殺され、ずっと囚われの身となっているウルリカは火事を起こして復讐を果たすが、同世代の騎士は現役なのに「老婆」扱いなのが悲しい。ちなみに、その過酷な運命は、サトクリフ「ともしびをかかげて」のアクイラの妹フラビアも同じだが比べるとフラビアは幸せになった方ではないかと思われる。

ユダヤ人の高利貸しイサクの娘、美しいレベッカは、医薬の知識を持ち、テンプル騎士の求愛を拒絶し続けたため火あぶりの刑を宣告される。アイヴァンホーに槍試合で助け出されるが、その誇り高い姿が印象的。

「サクソンとノルマンが融合し英語が話されるのは、後のエドワード三世の時代である」で話は終わる。ノルマン優位だが、言語などにサクソン文化も交わってイングランドひいては現在の英国に繋がっていったのが良く分かる。

'Ivanhoe' Sir Walter Scott1819

本を買う決め手 (2011/09/01)

Sir Walter Scottの「Ivanhoe」を読みたくなった。ネットで探したら、新品で500ページ以上あって英国からの運賃込みだろうに何と294円だった。岩波文庫の訳本より遥かに安い。読み通せるかどうか悩んだ末、原書にしたが、幸い意外に面白かった。原書か訳本かどちらにするかを値段で決めるというのは問題なような気もするが・・・

嵐電 (2011/08/27)

アップロードファイル 307-1.jpgアップロードファイル 307-2.jpg

京都の四条大宮から西へ向かう京福電鉄嵐山線、通称「嵐電(らんでん)」に乗った。一両しかない小さな電車で緑の山に向かって途中は道路を走る。終点の嵐山の渡月橋あたりで今年初めてツクツクホウシの声を聞いた。暑いけれど秋が近づいている。

ニンジン (2011/08/19)

アップロードファイル 308-1.jpgアップロードファイル 308-2.jpgアップロードファイル 308-3.jpgアップロードファイル 308-4.jpg

5月初めにニンジンの苗を貰って以来、植木鉢に植え替えたり間引いたり旅行中の水やりを気にしたりと世話をしてきたが、いよいよ最後の一本を抜いて天ぷらにした。根はオレンジ色でこりこりと歯ごたえがあり、緑の葉っぱがとても立派なニンジンだった。

尾張徳川家 (2011/08/03)

アップロードファイル 306-1.jpgアップロードファイル 306-2.jpg

名古屋市の徳川美術館は、源氏物語絵巻と雛飾りが有名だ。その他の尾張徳川家の所蔵品は、刀、鎧兜、火縄銃などの武器から、武士のたしなみの茶道具、能装束、輿入れしてきた姫たちの豪華な婚礼道具、衣装、それに「蓬左(ほうさ)文庫」の書物まで様々あり、江戸時代の将軍家を頂点とする大名の生活を垣間見ることができる。すっきり洗練されてはいないが豪華で重厚な雰囲気の品々だった。

ヤギ (2011/08/02)

スイスの絵本作家ホフマンの原画は、透き通るような色彩だった。病気の子どもの為にグリム童話を絵本にしたのが最初だそうだ。4人の子どもたち各々に宛てた手作り絵本は愛情に溢れていた。

「7ひきのこやぎ」の母ヤギが、オオカミに負けない程しっかりして強そうなのが印象的だった。そういえばノルウェーの昔話「3びきのやぎのがらがらどん」や、ノルウェーの農場生活を描いた「小さな牛追い」「牛追いの冬」でも、ヤギは強かった。

能登半島 (2011/08/01)

アップロードファイル 304-1.jpgアップロードファイル 304-2.jpgアップロードファイル 304-3.jpgアップロードファイル 304-4.jpg

7月半ばに石川県能登半島に行った。半島の東側、七尾湾に囲まれた能登島(のとじま)のガラス美術館は、銀色の宇宙船のような建物だった。清朝の色ガラスや、ダリのデザインによるふにゃふにゃ時計が面白かった。近くの和倉温泉泊。

半島の西側の巌門(がんもん)は岩に穴が開いていて小舟なら通ることができるそうだ。岩と海の風景はなかなか雄大だった。

千里浜(ちりはま)は、長い海岸線が続くのどかな海水浴場だが、その砂浜を車が走る珍しいところだった。

日本海を背景にしたこのあたりの風景は、照りつける真夏の明るい太陽の元でも厳しさや荒々しさが強く感じられた。

祇園祭 (2011/07/12)

アップロードファイル 303-1.jpgアップロードファイル 303-3.jpg

京都の新町通りでは「放下(ほうか)鉾」を建てていた。木材を縄で巻いているが、鉾の部分は横にしてもずいぶん長かった。

四条通りでは「長刀鉾」の曳き初めがあった。囃子方や稚児も乗り込み、祇園囃子と「エンヤラヤー」の掛け声と扇の振りに合わせて大きな鉾がゆらりと動いた。車輪がぎしぎし音を立てるのを聞くと、木製だったと思い出す。

山鉾の外側を飾る布の中には、16世紀にベルギーで製作され輸入されたタペストリーを切り分けたものもあるそうだ。トロイア戦争や旧約聖書を題材にしているが、キリシタン禁制の時代も生き延びてきた。9世紀から続いてきた祇園祭の歴史を思いながら鉾を眺めた。

割り梅の砂糖漬け (2011/07/11)

アップロードファイル 302-2.jpg

一ヶ月前の梅雨の時期に「割り梅の砂糖漬け」というのを作ってみた。梅をギンナンのように叩いて割れ目をつけるのが面白かった。

今日、試食してみたら梅はコリコリ、ジュースの炭酸割りもスッとして暑い日にぴったりだった。

緑色二種 (2011/07/08)

ロビンフッドは、12、13世紀の中世イギリスの伝承の人物。シャーウッドの森に仲間を集めて活躍したといわれる。衣服の色は、明るい緑色と訳されるが、元は「Lincoln green」。Lincoln特産の生地だそうだ。敵の中に「Kendal green」の衣服を着た一派がいた。こちらは灰色がかった緑色だそうだ。どちらも緑の森に相応しい。

'The Adventure of Robin Hood' by Roger Lancelyn Green 1956

「ピーター・パン」 (2011/07/02)

永遠の子どもピーター・パンは乳歯のままで、生意気でうぬぼれや。過去はすぐ忘れてしまう。

妖精ティンカー・ベルは、ポットやヤカンを修理するから「鋳かけ屋(tinker)」の名がある。葉脈のドレスを着て少し太め。美しいベルの音で会話。ネバーランドの地下の家にある部屋には、妖精界のブランド家具が揃っている。妖精は赤ちゃんが初めて笑ったときに生まれ、その子が妖精を信じなくなると死んでしまうという。

海賊の親分フックは、ハンサムだが青白く忘れな草色の目をしている。悲運のスチュアート家似の顔立ちと言われたことがあるので、メアリ・スチュアートの曾孫のチャールズ二世風の衣装を着ている。実はパブリックスクールで学んだので、良いふるまい(good form)ができるかどうか常に気にしている、

ネバーランドで、鳥とピーターがことばが通じなくて互いにいらいらする場面は妙に現実的だ。こういう世界では動物とも会話ができそうな気がするのに・・・。

大人の作者の視点で書かれていて、全体に夜の夢というか、一部悪夢のような不思議な雰囲気の本だ。

'Peter Pan' J.M.Barrie 1911

フェルメール (2011/07/01)

17世紀オランダの画家フェルメールの作品を二ヶ所で見た。

まず「地理学者」。薄暗い部屋に差し込む光の中に、地球儀、コンパス、海図、流行の日本風のガウン、ゴブラン織りの敷物、デルフトのタイルといろいろ描き込まれていて当時の生活が偲ばれる。

次に「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女」「手紙を書く女と召使」。当時貿易で栄えたオランダは、市民階級の識字率が高く出版が盛んで手紙が流行した。アジアの商船に出した手紙の返事を受け取るには二年かかったそうだ。江戸時代の日本に来た船もあったことだろう。

key (2011/06/10)

アップロードファイル 298-2.jpgアップロードファイル 298-3.jpg

「key」には、「鍵」の他に「カエデの翼果」の意味がある。
アリソン・アトリー作「西風がくれた鍵」では、まさにカエデの翼果が鍵になって、少年がカエデの樹の秘密の扉を開けて中を見ることができる。

小豆島の名所、寒霞渓(かんかけい)に、立派なカエデの木があって、翼果がいっぱい成っていた。緑の葉の間に、先端が赤い二枚羽の翼果が今にも飛び出しそうに付いていた。なるほど、これなら「鍵」になりそう・・・と、瀬戸内海の島々の見晴らしよりも、この「key」に喜んでしまった。

日本のオリーブ (2011/06/07)

アップロードファイル 297-1.jpgアップロードファイル 297-2.jpgアップロードファイル 297-3.jpgアップロードファイル 297-4.jpg

香川県の小豆島(しょうどしま)は、60年以上前に日本で最初にオリーブの芽が出たところだ。遠洋漁業で獲れた魚を保存するため、油浸けにして缶詰にする方法を海外から学んだ日本人は、教えられたとおり「オリーブ油」でなければいけないと思い込み、日本でオリーブの栽培を試みたのだそうだ。

オリーブの木は、実を手で摘みやすいように背の高さを揃えて剪定するため、遠くから見ると新しい木と古い木の区別がつかないが、古い木は幹が太くてねじれていて風格があった。葉も幹も白っぽく緑がかった地中海原産のオリーブの木々が、瀬戸内海を背景に、しっかり根づいて並んでいるのは、なかなか珍しい光景だった。

ちょうど花が咲く季節で、白くて小さな花が満開になっていた。

「The Ship that Flew」 (2011/06/04)

ピーターが買った小さな船は、実は北欧神話に登場する魔法の船だった。折りたたんでポケットに入るほど小さいのに、この世のどこへでも、そして過去の時代のどこへでも、何人でも連れて行ってくれる。同時に、髪や肌の色や服装もその時代に相応しく変わり、ことばも通じるようになる。ピーター以下、四人兄妹が望んだ行き先は、母が入院している病室の他は、北欧神話の神々の住みかや、ノルマン征服時代のイングランド、古代エジプト、ロビンフッドの時代と、いかにも当時のイギリスの子どもたちが興味を持ちそうなところだ。

「バイユーのタペストリー」は、ノルマンディー公ウィリアムのイングランド征服を刺繍で描いた作品だが、以前はウィリアムの妻マチルダが寄進したとも伝えられていた。物語の中では、そのマチルダを名付け親に持つ少女マチルダが現代(ピーター兄妹の時代)にやって来る。彼女は、自分の時代に父が建てた石造りの教会が古びながらも残っているのを見て、その修繕費用を集めるバザーに、得意の刺繍の小袋を作って出品する。12世紀の古い刺し方で、今作られたばかりの素晴らしい作品に、現代の人たちは驚き、競りの値段が釣り上がっていく。

本筋には関係ないのだが、二人のご婦人が競りをする場面で、一人が「○○ポンド!」と値段を言うと、もう一人は「ギニー!(Guineas!)」とだけ言う。この作品が書かれた1939年に、まだ謝礼などに使われていたギニー金貨(Guineas)は、ポンドの1.05倍の価値だったので、そう言うだけで値段を釣り上げる意味になったわけだ。

また、「black eye」に、「殴って黒あざになる」と文字通り「黒い瞳」をかけたり、「Middle Ages(中世)」と「middle-aged(中年)」を間違えたりするところは訳せない面白さだ。

「The Ship that Flew」by Hilda Lewis(1939)

布引の滝 (2011/06/02)

アップロードファイル 295-1.jpgアップロードファイル 295-3.jpg

雨の後なので水量が豊富だった。雄滝は迫力があり、雌滝は優美だった。

六甲高山植物園 (2011/06/01)

アップロードファイル 294-1.jpgアップロードファイル 294-2.jpgアップロードファイル 294-3.jpgアップロードファイル 294-4.jpgアップロードファイル 294-5.jpg

花盛りのクリンソウや、大きな木のサラサドウダンが華やかだ。青いチョウジソウは横から見ると花がT型の花で、近くの「丁子が辻」という地名はT字路だからその名があるのに初めて気がついた。もう咲き終わりのアヤメは綾目模様だから名づけられたそうだ。ちらほら咲き出した黄色のニッコウキスゲはこれから盛りを迎える。外国生まれの花々は可憐だが学名が難しい。猛毒のトリカブトが普通に茂っていて、葵祭りのアオイもある。高山植物の女王コマクサや、清楚なエーデルワイスも咲き始めている。
鳥のさえずりが響く雨上がりの高山植物園は、緑も花も美しかった。

馬が活躍する祭り (2011/05/15)

京都の葵祭(あおいまつり)は、六世紀から始まったという雅な王朝貴族の祭りだ。今年も総勢五百人余りの行列が御所から下鴨神社へとしずしずとやってきた後、「走馬の儀(そうめのぎ)」が行われた。これは、平安装束の乗り手が新緑の木立の中を一騎ずつ走り抜ける神事で、ドドッドドッとリズミカルに近づいては遠ざかっていく馬の足音も良い。

馬が活躍する伝統の祭りといえば、福島県の相馬(そうま)の野馬追(のまおい)がある。こちらは、平将門(たいらのまさかど)を祖とする元相馬藩の勇壮な武者の祭りだ。ほら貝の音が響く中、甲冑姿の武者が乗る総勢五百騎余りが荒々しく駆け回る騎馬戦は迫力満点だ。毎年七月末に行われるのに・・・と思うと胸が痛くなる。

アボカド (2011/05/08)

アップロードファイル 292-1.jpg

ここに引っ越す前に種から芽が出たアボカドが、ひょろひょろながら背が伸びたので何度目かの植え替えをした。ただでさえ倒れそうなのに、隣のスイトピーのつるが巻きつきそうなので、共倒れにならないといいけれど・・・。頑張れ、アボさん!

リッキ・ティッキ・ターヴィ (2011/05/07)

「Rikki-tikki-tavi」というマングースが、恐ろしいコブラの夫妻と死闘をを演じ、ついにやっつける話が「ジャングルブック」の中にある。この名は、彼の戦いの雄叫び(long war-cry)'Rikk-tikk-tikki-tikki-tchk!'から来ていて、声に出して読むととても調子がいい。残念ながら日本語で書くと「リッキ・ティッキ・ターヴィ」のようになり間延びしてしまうが・・・。
また、彼のおくびょうな友、musk-ratの名前「Chuchundra」もネズミっぽい感じで面白い。

'Rikki-tikki-tavi' from「The Jungle Book」by Rudyard Kipling

ツツジ (2011/05/02)

アップロードファイル 290-1.jpg

庭のツツジのつぼみがついた枝を切って花瓶に挿しておいたら、なんと一晩で花開いた。春の生命力だ。

苺ジャム (2011/05/01)

アップロードファイル 289-1.jpg

苺の季節なのでジャムを作った。煮ているときに漂う香りと鮮やかに変わる色が、手作りの楽しみだ。

花吹雪 (2011/04/12)

アップロードファイル 288-1.jpgアップロードファイル 288-2.jpg

京都市左京区一乗寺恵文社に行った。昔の本がいっぱいある中に、今時の本も違和感なく並んでいる。古いようで新しい京都ならではの本屋さんだった。

その後は、満開を過ぎかかった桜を堪能した。
高野川の桜は、大きくてのびのびと咲いていた。
哲学の道の桜は、川面に浮かんでゆったり流れる花びらも美しく、時おり風が吹くとサーッと花びらが舞い散って、まさに「花吹雪」になった。さすがに賑わっていたが、個人の日本人客ばかりでごくごくたまに西欧系の観光客がいるのが珍しい光景で、「現実」を思い出させた。

未来 (2011/04/11)

「あなたは何を信じていますか?」と書かれた質問を眺めていたら、「未来」ということばが心に浮かんだ。先が見えない昨今、意識していなかったが、「あのときは大変だったね・・・」と言える未来があることは、信じているのだと気がついた。

桜 (2011/04/07)

アップロードファイル 285-1.jpgアップロードファイル 285-3.jpg

桜が一斉に咲き出した。満開になり潔く散ってしまうが、翌年の春、また華やかに咲きそろう桜の花は、幾多の天災人災を乗り越えてきた日本人にふさわしい。

「神鳴(かみなり)」 (2011/04/02)

藪医者が、天から落ちて腰を痛めた雷神に出会った。雷神は、治療の御礼に向こう八百年間、干ばつも水害も起こさないという約束をしてくれた。とりあえず今から八百年間平穏だったら、どんなに良いだろう。この狂言が演じられた四百年前の室町時代の人々と、願いは同じだ。

「故郷(ふるさと)」 (2011/04/01)

「山は青き故郷、水は清き故郷」という歌詞のところでことばが詰まった。日本全国、清い水が戻ってほしい。

小鳥のさえずり (2011/03/17)

新しい情報を知りたくて遅まきながらtwitterを始めた。
刻々と入る情報の真偽を判断する力が必要だが・・・。

2011年3月11日 (2011/03/12)

今日と連続した明日が来ることは当たり前ではないと思っているが、平穏な日々が続くと、それをつい忘れそうになってしまう。けれど又、当たり前ではないと手ひどく思い知らされた。

ゴッホ展 (2011/03/06)

「こうして彼はゴッホになった」という副題の展覧会を見にいった。日本ではゴッホと呼ばれる19世紀後半のオランダ生まれの天才画家、Vincent Van Goghは、実はほとんど独学で絵画の技法を学び、模写を重ね、モネやゴーギャン、また浮世絵にも影響を受けて、自分のスタイルを作り上げていった努力の人でもあった。

例えば、ミレーの「種撒く人」は何度も模写し、それを元にした油絵も描いている。「じゃがいもを食べる人々」その他、農民を描いたものには暖かい視線が感じられる。
じゃがいもだけを描いたものや、額縁も手づくりという独特の黄色い色調の「マルメロ、レモン、ナシ、ブドウ」などの静物画も良かった。

南仏アルルで一時期ゴーギャンと暮らした「黄色い家」の寝室の絵は明るくて、辛い晩年に至る前には、こんな穏やかな気分のときもあったのだと思った。

電車の中で (2011/03/05)

電車の一番前に乗ったら、運転席から大きな声が聞こえてきた。見ると新米の運転士さんで、電車が走っている間中、線路脇の青信号では「進行」、通過駅では「通過」、その他「良し」「制限65」など、ずっと大声で確認していた。隣に先輩の運転士さんが座っているのが、余裕があってとても頼もしく見えた。

停車した駅では、白い手袋で前方を指差して「出発進行!」、そして扉が閉まっているのを確認した後、「定刻」と言って出発した。走行中、慎重になりがちなのか、昼間で乗客が少ない時間なのに、数駅先では「定刻」が「20秒エン」になった。「エン」は遅延の延だろうか。次の駅では「50秒エン」、その次は「1分10秒エン」と少しずつ遅れていった。

新米の運転士さんの背中から緊張が伝わってくるような気がした。頑張れ!と心の中で応援しながら、途中の駅で降りた。

雨の梅 (2011/03/01)

アップロードファイル 279-1.jpgアップロードファイル 279-2.jpg

寒さがぶり返した三月一日だが、梅を見に行った。八分咲きの紅梅白梅が雨に濡れていた。「ナントカ黄梅(おうばい)」という名の花びらが小さく雄蕊(おしべ)が華やかなものが珍しかった。

山茶花 (2011/02/22)

アップロードファイル 278-1.jpgアップロードファイル 278-2.jpg

庭の山茶花(サザンカ)が、雪にも寒さにも負けず溢れんばかりの花をつけている。色彩に乏しいこの季節、そこだけぱっと華やかだ。

樹の下に花びらがたくさん散っていて、近づいて見ると満開の花ばかりでなく、虫食いの花、枯れて萎びた花、五分咲き、そしてこれから咲く丸い蕾と様々な花が隣り合っている。

ルネッサンス宗教画に描かれた花は、枯れていくことで、美しさが永遠に続かないこの世のはかなさを表していたそうだが、この山茶花も街の花壇などのいつもきれいな花ばかり並んでいるのと違い、自然の姿を見せてくれる。

雛と雪 (2011/02/14)

急に振り出した雪がどんどんひどくなって、窓の外が真っ白な雪景色になった。部屋の中は、お雛様を出したので華やいでいる。冬と春とが同居する季節だ。

ブランデンブルク協奏曲 (2011/02/05)

18世紀前半のドイツバロックの作曲家、バッハの作品をテレマン室内オーケストラ演奏で聴いた。

その中で、ブランデンブルク協奏曲の3番から5番は、CDでは聞き流していたが、それぞれ微妙に編成が違っていた。3番は弦楽器とチェンバロで、4番はそれにリコーダーのソロが加わり、5番は弦とチェンバロとフルートの編成だった。

特に5番はバッハ自身がベルリンで特注した新型チェンバロを主役にしたもので、バッハ自身が演奏もしたそうだ。十人余りの息の合った軽やかな演奏だった。

オニオングラタン (2011/02/02)

アップロードファイル 275-1.jpg

玉葱を薄切りにして炒めていくと、どんどん嵩が減ってくる。一時間半ほどたつと甘く香ばしい匂いがして茶色のカラメル色になって、玉葱一個が大匙二杯くらいになってしまう。

それをスープでのばし、こんがり焼いたフランスパンを入れて、チーズを載せて焦げ目をつけると出来上がり。時間はかかるが、作るのも食べるのも寒い季節にぴったりだ。

囃子(はやし)その2 (2011/02/01)

 能の音楽を囃子(はやし)という。向かって右から能管(のうかん)という竹の横笛、小鼓、大鼓、太鼓という順に並ぶ。謡(うたい)は一番右手に座る。
 弦楽四重奏などは、少し扇形に位置して互いにアイコンタクトなどで息を合わせるが、囃子の場合は、横一列に並んでいて脇見も禁じられ、掛け声や気配を読むことで調子を合わせるそうだ。そして、正座して背筋をスッと伸ばして演奏する姿は美しい。これも体を揺らして熱演するヴァイオリニストとは大きく違う。西洋音楽に馴染んだ身としては、わが国の伝統音楽ながら目新しいことばかりだ。

雪の日 (2011/01/20)

アップロードファイル 273-1.jpg

朝起きたら吐く息が白く、水道の水が冷たさを通り越して痛く感じられた。室温は4℃。
9時前に雪が降りだした。どんどん降ってあっという間に庭のサザンカが綿帽子をかぶった。散歩に出ると雪が吹きつけてきて、傘をさしているのにコートも鞄も雪まみれになった。人間雪だるまになりそう。でも家に着いて雪を払ったら、はらはらっと落ちた。
雪は、その後も静かにしっかり降り続き大雪警報が出るなか10センチ以上積もった。玄関前の雪かきをしたら、雪は結構かさがあって重い。それが二日後、すっかり溶けてしまった。魔法のようだった。

ライ麦パン (2011/01/12)

アップロードファイル 272-1.jpg

ライ麦の粉を貰ったので、強力粉と半々にしていい加減にパンを作ってみた。ライ麦は細かい粉だが、焼きあがってみると色も香りも存在感がある。出来栄えはともかく、朝食に焼き立てのパンで満足。

徳島県鳴門市の旅 (2011/01/09)

アップロードファイル 270-1.jpgアップロードファイル 270-2.jpgアップロードファイル 270-3.jpgアップロードファイル 270-4.jpg

鳴門(なると)の渦潮(うずしお)を見た。小さな観光船が、大鳴門橋の真下の渦潮ができる場所でしばらく動かないでいてくれたので良く見えた。大潮のときで、海が沸き立つように大きな渦が次から次へと現れ、船の中にも水しぶきがかかる豪快な眺めだった。残念ながら私の腕では渦の写真は撮れなかったが・・・。

翌日は、大塚国際美術館に行った。西洋の名画が陶板に復元されていると聞き、どうせ複製じゃないかと少し甘く見ていたが、古代から現代までの1000点余りが原寸大に復元されているのは圧巻だった。ルネッサンス時代の宗教画など、実際の人間と同じくらいの大きさで描かれていて迫力があった。

大根の葉 (2011/01/05)

アップロードファイル 269-1.jpg

大根に少し残っている葉の部分を残して水に浸してみた。観葉植物の仲間入りだ。

2011年元旦 (2011/01/01)

アップロードファイル 268-1.jpeg

今年は卯年