「転車台」とは、車両の向きを進行方向に向ける装置で、バックできない蒸気機関車の時代に使われた。静岡県西部を走る「天浜線」の中ほど、天竜川に近い天竜二俣(てんりゅうふたまた)駅には、昭和15年に国鉄二俣線(ふたまたせん)として開業当時の転車台が残されている。実際に車両が転車台に乗ってぐるっと向きを変えるのを見ることができた。向きを変えた車両が入る扇形車庫や腕木信号機も残されている。転車台も信号機も昔は手動だったそうだ。転車台の線路と外の線路をぴたっと合わせるのも動かす人の「勘」だったそうだ。職人技である。