近くの大規模工事現場で出土した木簡(もっかん)を見た。木簡とは、細長い板切れに文字を書き記したもので、表面を削ると再利用できるので、奈良時代の役所で高価な紙より手軽に使われた。実物は、巾2.5センチ位、縦15センチ位の木切れで、何か文字が書いてあるが、素人目には古ぼけた木切れにしか見えない。
でも、これが発見されたということは、当時の政治の中心地、平城京と深いつながりがあったという意味になるそうで、このあたりが8世紀の昔から結構栄えていたのがわかる。その後、住む人が入れ替わり時代も移り変わってきたが、過去と現在は切り離されたものではなく、ずっとつながってきているのだなあとあらためて思った。