松尾大社の山吹と梅宮大社の桜、どちらも酒造りの神。
イノダ本店と四条河原町の大理石の像みたいな人と祇園の舞妓さん。
仁和寺の御室桜(おむろざくら)と太秦(うずまさ)映画村。
京都国立近代美術館で、フランスのアンリ・マティス(1869-1954)の素描を見た。「ブルガリアン・ブラウス」や、マラルメ詩集の挿絵など、さっとひかれた単純な必要最低限の線で、豊満な女性の姿や、細かいブラウスの刺繍が生き生きとあらわされていた。
「色彩の魔術師」と言われる画家だが、素描も魅力的だった。
去年から復活した後祭の山鉾巡行を、京都市役所前で見た。
北観音山、南観音山など山の最後に唯一の鉾、大船鉾が進む。
辻回しで、「よーいとせー」の掛け声がかかってもなかなか曲がれない山があった。木で組み上げられていて、人力でゴトン、ギシギシと動く山鉾の重さを実感した。
京都市美術館に「ルーブル美術館展」を見に行った。
「日常を描く」と題して16世紀から19世紀までのヨーロッパの風俗画が集められていた。
17世紀レンブラントの「『聖家族』または『指物師の家族』」と
フェルメールの「天文学者」、
19世紀ドラクロワの「鍛冶屋」と
ミレーの「箕(み)をふるう男」が良かった。
京都市中京区の丸平文庫「丸平代々の雛人形展」に行った。
様々な種類の雅なお雛様が飾られていて、色々お話があった。
京都では、向かって右側に男雛を飾る。
昔は「左」が格が上だったので、男雛(帝)と女雛(后)が並ぶ場合、格上の男雛が左側になった。
また「右近の橘、左近の桜」でも、左が格上なので桜(元は梅らしい)が男雛に付随し、橘は、実をつけるので子孫ができる象徴、つまり女雛に付随する。
それが、明治時代に西欧に倣って天皇皇后の立ち位置が逆転したので、お雛様も東京をはじめ全国的に逆な並べ方が主流になったそうだ。長年の疑問が一つ解決した。
京都府、アサヒビール大山崎山荘美術館の「志村ふくみ展」に行った。
蘇芳(すおう)、梔子(くちなし)、藍(あい)、梅、桜など名前も床しい植物で染めた柔らかく深い色合いの糸を何種類も使って織り上げ、それを着物に仕立ててある。とても長い時間と労力がかかりそうだ。
7月17日は、祇園祭の山鉾巡行。まず、四条麩屋町での長刀鉾(なぎなたぼこ)の稚児による「しめ縄切り」、四条堺町での、その他の山鉾の「くじ改め」を見た。次に、御池通りで稚児が強力(ごうりき)に担がれて鉾を降り、その後、大きな鉾が狭い新町通りに入る「辻回し」を見た。
古式に則り、ゆったりと進む華やかな山鉾と、満員電車並みの混雑の中でカメラを構える観客との対比も面白かった。