この本の主人公は「Homer」、かの有名な古代ギリシャの詩人、ホメロスと同じ名前の少年だ。
ある日、新物好きなおじさんが「自動ドーナツ製造機」を店に入れた。
(おじさんの名前はなんと「Ulysses」、ギリシャ神話の英雄オデュッセウス!)
店番を任されたHomerが、ドーナツのタネを補充しようとしたところ、居合わせたお金持ちの婦人が、自慢のレシピでタネを作ってあげると申し出た。
そのタネを機械に入れると、美味しいドーナツができあがった。ところが、機械が止まらなくなってしまいどんどんドーナツが出てきてしまう。
そこへ、さっきの婦人が「ダイヤモンドの腕輪を失くした」と飛び込んできた。どうやらタネの中に入ってしまったらしい。
さあ大変!、膨大なドーナツの山から、どうやって見つけたらいいのだろう?・・・
自立していて、機転が利いて生き生きしている主人公が魅力的だ。
1940年代の元気な時代のアメリカの話だが、機械化に対する風刺もきいている。
'The Doughnuts’
"Homer Price" by Robert McCloskey,1943