「万作萬斎狂言」を観た。
以下はパンフレットを参考にした曲の覚え書き。
「梟山伏(ふくろやまぶし)」
梟の巣にいたずらしたので梟に取り憑かれた弟のため、兄が山伏に祈祷を頼む。能「葵上」のパロディだそう。六条御息所ならぬ梟の祟りの感染力はとても強烈で、鳴き声が頭から離れない。
「舟(ふね)ふな」
西宮に遊山に出かけた主(あるじ)と太郎冠者。神崎の渡しで舟を呼ぼうとするが、「ふな」と呼ぶ太郎冠者に、主が「ふね」と呼べとたしなめる。二人は、それぞれ古歌を引き合いに出すが、一つの歌で六歌仙まで持ち出してごまかそうとする主の方が分が悪い。太郎冠者にやりこめられる主の話だが、万作の主はおっとりと品があって憎めない。
「宗論」
都へ帰る法華僧と浄土僧(萬斎)が道連れになる。互いに犬猿の仲の宗派と分かり、宗論を戦わせるが、「隋喜(ずいき)」を「芋苗(ずいき)」と説明したり、「無量罪(むりょうのさい)」を「無量菜(むりょうのさい)」つまり食べきれないほどの料理と説明したりと面白い。てんやわんやの挙句、結局はどの宗派でもよいという結論に?