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「ミケランジェロ展」

ミケランジェロ・ブオナローティは、16世紀後半、イタリア・ルネッサンス最後の巨匠である。代表作ピエタのマリアは青年のように見えるし、ダヴィデ像も「最後の審判」のキリストも男性の肉体美が印象的なので、自由奔放な気まぐれな天才肌の人物かと思っていた。

ところが「最後の審判」を描くための素描がたくさん残されていて、あの巨大な作品は、そもそも膨大な下絵の下に製作されたようだ。根気が無ければできない仕事だ。それに、ダ・ヴィンチとは違い、請け負った仕事は苦労しながらきっちり仕上げていたので、天才には違いないが真面目な職人肌でもあったようだ。

ニシンやパスタやワインやホウレンソウのメニューをスケッチしてあるのが微笑ましく、ミケランジェロのイメージが良い方に変わった展覧会だった。