クリスマスの絵本の中で好きな本の一つが
「The Tailor of Gloucester(グロースターの仕立て屋)」だ。
イギリスには、クリスマスイブに大聖堂の鐘が鳴り始めてから翌朝に鳴り終わるまでは、すべての動物が話すことができるという言い伝えがあったそうだ。このお話では、その間に、病気になった仕立て屋のかわりにネズミたちが仕事を引き受けてくれる。
捕まえておいたネズミを仕立て屋が逃がしたことを知って、ネコのシンプキンは怒って「twist」を隠してしまう。「twist(より糸)」は、糸をよって作るという製法からきているが、日本語では、ボタン穴をかがるという用途から「穴糸」という。「twist」が足りなかったボタン穴を残して、ネズミたちがこっそり仕上げた上着の刺繍の絵も素晴らしい。
(「The Tailor of Gloucester」by Beatrix Potter)