記事一覧

"Puck of Pook's Hill"

夏至の前日に、英国南部サセックス州で、兄妹がシェイスピアの「夏の夜の夢」を演じていたら、本物のパックが現れた。

彼は、夏至から晩秋にかけて、4世紀の古代ローマの百人隊長、11世紀のノルマンの騎士、13世紀のマグナ・カルタ制定に関わったユダヤ人、そして16世紀のルネッサンス人を呼び出して、子どもたちが今いる場所がどんな風だったか、そしてどのようにして「イングランド」ができてきたのかを教えてくれる。

ところで、「マグナ・カルタ(大憲章)」は、1215年に、当時のジョン王が王権の制限を受け入れたもので、現在の英国憲法にも生かされているという。今年の6月15日に、その制定後、800年になる記念式典が、エリザベス女王やキャメロン首相も出席して行われたというニュースがあった。パックが見てきた英国の歴史は今も続いている。

"Puck of Pook's Hill"1906 by Rudyard Kipling

「アンガスとあひる」

主人公は、スコテッシュ・テリアの子犬、「Angus」。
アンガスというのはケルト神話の神様の名前らしい。

好奇心いっぱいのアンガスは、ある日、こっそり外へ出て
「Quack! Quack! Quackety! Quack!!」と鳴くあひるに出会います。
アンガスが「WOO-OO-OOF!!!」と言うと、あひるは逃げました。
ところが、あひるは「HISS-S-S-S-S-S-S!!!」と向かってきました。
アンガスは、しっぽを巻いて逃げかえり、椅子の下に隠れました。
そして、きっかり三分間は何にも興味を持ちませんでした。

・・・というお話。
とにかくアンガスが可愛い。

"Angus and the Ducks" by Marjorie Flack,1930

どんどん小さく・・・

アップロードファイル 548-1.jpg

ポータブル・ラジオ・レコーダーが仲間入りした。
ラジオ番組を録音するのに、プー式に言えばまことに「ちょうほうな」ものだ。並べてみると携帯が大きく見える。

かつら文庫

アップロードファイル 547-1.jpgアップロードファイル 547-2.jpg

荻窪の「かつら文庫」を尋ねた。閑静な住宅街にある居心地の良い場所で、この近くに住んでいた子どもは幸せだと思った。
石井桃子さんの書斎も保存されていて、プーで育った私にとって遠い世界の人だった「児童文学者石井桃子」が身近に感じられた。

アーディゾーニ(AZ)展

アップロードファイル 546-1.jpgアップロードファイル 546-2.jpg

教文館ナルニア国のアーディゾーニ展を見た。
まずは「チムとゆうかんなせんちょうさん」のチムシリーズ。
荒海の難破船から助けられる場面など原画の勢いが素晴らしい。。
初版は、文も作者の手書きの筆記体だった。表紙の背景も筆で塗られていた。

ファージョン、ピアスなどの線画の挿絵が好きだが、お気に入りは、デ・ラ・メアの詩集、「Peacock Pie」だ。挿絵が詩の魅力を、よりいっそう引き立てている。会場に「良い詩は、読むと絵が鮮明に浮かぶ」というような作者のことばがあった。長年ペアを組んだJames Reevesの詩集も読んでみたいと思ったが、残念ながら絶版らしい。

長年にわたり、毎年、友人に宛てたクリスマスカードも展示されていた。
どれもこれも作者が楽しんで描いているのが良く分かるものばかりで、見ていて楽しかった。

「The Prince and Tne Pauper」

子どもの頃に抄訳を読んだ「王子と乞食」の原書を読んでみた。
まずは、題名が韻を踏んでいた。
次に、王だけが所在を知っている「大印章」というのが、「the Great Seal」だと分かった。日本のような朱肉の印鑑でなく、封筒の綴じ目や文書に蝋をたらした上に押すものだった。
最後に、これは訳書でもいいが、16世紀後半のイングランド、ヘンリー8世死後の、エドワード6世、ジェイン・グレイ、メアリ1世、エリザベス1世、それにメアリ・スチュアート、その息子ジェイムズ1世が絡む権力闘争を思い出しながら読むと面白かった。

"The Prince and The Pauper" by Mark Twain

ハインリヒ・シュリーマン

「ギリシア考古学の父シュリーマン」展を見にいった。
ドイツ生まれの考古学者、ハインリヒ・シュリーマン(1822-1890)が、晩年に発掘したティリンス遺跡(ギリシア、ペロポネソス半島東岸)の発掘報告書の原画28枚その他が展示されていた。
中には、建築家デルプフェルトに助力を頼んだ発掘現場の精密な図面や、土器の破片の正確な在りかに悩んだ跡が残されたものもあった。

子どもの頃、「夢を掘りあてた人」という岩波児童書が好きだった。
シュリーマンという人が貧しい中、働きながら独学で十数カ国語をマスターし、大商人となった後、商売から身を引き、私財を投じて、長年の夢だったホメロスが歌うトロイアの遺跡を発掘したという物語である。
「イーリアス」「オデュッセイア」やギリシア・ローマ神話に親しむきっかけにもなった本だ。もちろん、トロイアびいきだった。

その本は、今となっては伝記としては正確ではないらしいが、彼が、ホメロスの詩を読みこんで発掘の参考にし、古代ギリシア以前にミケーネなど古い文明があったことを立証したのは確かなようだ。

「世界一のばかと空飛ぶ船」

ロシアの昔話を英国のランサムが再話したもの。
「世界一のばか」、実は心の優しい若者が、空飛ぶ船を手に入れ、途中で出会った様々な特技を持つ7人の仲間に助けられて王さまの無理難題をやりとげ、みごと王女さまと結婚して幸せになる。
特技のスケールが大きく、「simple」が一番といういかにもロシアの昔話らしいお話。
王さまは「Czar」、仲間の一人はロシアの農民をあらわす「moujik」になっている。

"The Fool of the World and the Flying Ship " -A Russian Tale
Retold by Arthur Ransom, Pictures by Uri Shulevitz

ツバメ号とアマゾン号の子どもたち

イングランド湖水地方の夏休み、子どもたちは湖の無人島でキャンプをし、ヨットに乗る。新大陸発見と「宝島」が共通知識の、いわば壮大なごっこ遊びだ。
現代の子どもたちにとっては、電報、料理人のいる屋敷など当時の生活自体が既に物語の世界だろう。

"Swallows and Amasons" by Arthur Ransome,1930

The Little House

この本の主人公「小さな家」は、女の子だ。
好きなものは、おひさまとお月さまとリンゴの木とデイジーの花。
動かないし変わらないはずの「家」なのに、場面によって表情も変わる。
住んでいた場所がどんどん都会になってしまって悲しんでいたが、
最後は、引っ越しをして緑の丘でにっこり笑う。 
表紙の玄関の階段のところに「HER STORY」と書かれていた。

"The Little House" by Virginia Lee Burton,1942