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Georgeの別名

ドイツ生まれのレイ夫妻が、パリで創り出した小猿は「Fifi」と名付けられた。夫のハンスが描き、妻のマーガレットが話を書き、二人は、その原稿を持って第二次大戦中にアメリカに移住した。

戦後、それが絵本として出版されるとき、その小猿は「George」という名前になった。
その後、イギリスで出版されるときは、時の国王と同じ名前になってしまうので「Zozo」と変えられ、しっぽが付け加えられた。当時、イギリスでは、しっぽがあるのが「monkey」で、ないのは「ape」と区別されていたからだそうだ。

日本では「ひとまねこざる」として岩波から出版された。最初は縦書きで、スパゲッティが「うどん」と訳されていた。隔世の感がある。けれど、知りたがりやで大騒動を巻き起こすジョージの憎めない可愛さは、年月が経っても変わらない。

"Curious George Takes a Job" by H.A.Ray,1947

ロープの結び方

船をロープで岸につなぎとめる時の特別な結び方を、「a bowline knot」というそうだ。作者が描いた挿絵を見ながらやってみたが、なかなか難しい。

ジョンは、海軍中佐の父に仕込まれていたので、手際よく結ぶことができた。その父のような熟練の船乗りともなると、手首を二ひねりしただけで片手で結んでしまった。

これは「もやい結び」といって、現代の日本でも様々な場面で使われる結び方だそうだ。


"We Didn't Mean to Go to Sea" by Arthur Ransome,1937

「なぞの鳥」の正体は?

英国のアーサー・ランサム作の『シロクマ号となぞの鳥』(岩波)は原題を『Great Northern?』という。「大きな北方の?」では何のことか分からないが、実は「Great Northern Diver」という鳥の名前を略したものである。

「Diver」とは、「ダイバー」の名が表すように潜るのが得意な渡り鳥で、Red-throated Diver、Black-throated Diver、Great Northern Diverなどの種類があるそうだ。

その中で、英国では巣を作ることはないと思われていたGreat Northern Diverの巣と卵を、少年ディックがスコットランドの島で見つけたことから話が始まる。

日本ではなじみが薄い鳥だが、ディックの熱意のおかげで読み終わる頃には親しみがわいてきた。

"Great Northern?" by Arthur Ransome,1947

ねこといぬと子どもの絵

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渋谷の松涛美術館で、「チャペック兄弟と子どもの世界展」を見た。

チェコのヨゼフ・チャペック(1887-1945)作、絵の「こいぬとこねこのおかしな話」は、チェコの国中で愛読されてきたそうだ。
弟カレルは「長い長いお医者さんの話」などの児童書の他、戯曲「ロボット」も書いている。
それを「人造人間」という題で築地小劇場で上演した時のポスターも展示されていた。「ロボット」ということばは、兄が創ったそうだ。

兄の描いたねこや子ども、弟の愛犬ダーシェンカなどどれも暖かくて楽しい絵だった。けれど、弟の病死後、兄は収容所で亡くなったといわれる。ペンや絵筆でナチスに抵抗したその絵は、ほんわかと優しいが、一本筋が通った奥深さを秘めていた。

プーの本名は?

有名なテディ・ベアの一つが「Winnie-the-Pooh」(クマのプーさん)である。
(ただし、ディズニーでなく原作の方に限る。)
ぬいぐるみのクマをテディ・ベア(teddy bear)と呼ぶのは、20世紀初めの狩猟好きの米大統領、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)の愛称「Teddy」からきているらしい。

ところが、原作では、プーは「Edward Bear」となっている。
最初に読んだとき、プーの本名がエドワードなのだろうかと不思議に思ったものだが、当時の英国では、そう呼んだのだろうか。
テディにせよエドワードにせよ、いずれにしてもクマは男の子だったようだ。

"Winnie-the-Pooh" by A,A,Milne,1926

ディズニーとは違うプリンセス

プリンセスと聞くと、若く美しいお姫さまを思い浮かべるが、
この本の登場人物の一人「Princess Doragomiroff」は、かなりの高齢で、おまけに全く美しくない。ロシア人の大金持ちで、高価な衣装を見につけ、姿勢がよく、はっきりして丁寧だが支配することに慣れた話し方をする。近寄りがたいが、独特な魅力を持つ人物だ。

"Murder on the Orient Express" by Agatha Christie 1934

石のスープの作り方

疲れて腹ぺこの三人の兵士が、ある村にやってきた。
村人たちは、見知らぬ兵士を恐れて食べ物を隠し、家にも入れようとしなかった。
三人の兵士は相談し、村人たちに
「何も無いなら、一緒に石のスープを作ろう」と提案した。
興味津々の村人たちは、三人の兵士の言うとおり、広場に大きな鍋を持ってきて水を入れ、焚き火に載せ、丸く滑らかな石を三つ入れた。

すると、三人の兵士が言い出した。
「塩と胡椒があれば、」
「人参があれば、」
「キャベツがあれば、もっと美味しくなるのに」
それくらいならと、村人が隠してあった食材を次々に持ってきた。
さらに、
「牛肉とジャガイモがあれば、お金持ちのスープになる」
「大麦少しと、ミルクが一杯あれば、王様のスープだ」
という注文も叶えられ、見事に美味しそうなスープが出来上がった。

村人たちは広場に大きな机を据え、パンと焼肉とリンゴ酒も持ち込んだ。そして三人の兵士を囲んで、飲んだり踊ったりの楽しいパーティが始まった。

こうして、三人の兵士は、美味しい食事と暖かい寝床を手にいれた。かたや、
「何も無くても、石のスープの作り方を教わった」と村人たちも大喜びなので、めでたしめでたし。

何はともあれ、大鍋で煮込まれた具沢山のスープが美味しそうな、冬にぴったりの絵本だ。

"Stone Soup" by Marcia Brown,1947

ホメロスとドーナツ?

この本の主人公は「Homer」、かの有名な古代ギリシャの詩人、ホメロスと同じ名前の少年だ。

ある日、新物好きなおじさんが「自動ドーナツ製造機」を店に入れた。
(おじさんの名前はなんと「Ulysses」、ギリシャ神話の英雄オデュッセウス!)

店番を任されたHomerが、ドーナツのタネを補充しようとしたところ、居合わせたお金持ちの婦人が、自慢のレシピでタネを作ってあげると申し出た。
そのタネを機械に入れると、美味しいドーナツができあがった。ところが、機械が止まらなくなってしまいどんどんドーナツが出てきてしまう。
そこへ、さっきの婦人が「ダイヤモンドの腕輪を失くした」と飛び込んできた。どうやらタネの中に入ってしまったらしい。
さあ大変!、膨大なドーナツの山から、どうやって見つけたらいいのだろう?・・・

自立していて、機転が利いて生き生きしている主人公が魅力的だ。
1940年代の元気な時代のアメリカの話だが、機械化に対する風刺もきいている。

'The Doughnuts’

"Homer Price" by Robert McCloskey,1943

丸くないドーナツ

この本は、19世紀後半、米国北東部に住む9歳の少年、アルマンゾのほぼ一年間の暮らしを描いたもので、おいしそうな料理がたくさん登場するが、その一つがドーナツだ。

アルマンゾの母の作るドーナツ(doughnuts)は、ねじった形をしている。
"They rolled over,Mother said,because they were twisted."
揚げるときに、「ねじった形だから、ひとりでにひっくり返る」のだそうだ。
"a new-fangled shape, round, with a hole in the middle"
「新式の丸くて穴のあいた形」を作る人たちもいるけれど、丸いドーナツはひっくり返さなくてはならないので、手間がかかるそうだ。
試してみたいものだ。

"Farmer Boy" by Laura Ingalls Wilder,1933

パン屋の1ダース

ジェインとマイケルは、メアリ・ポピンズに連れられてジンジャーパンを買いに行った。1ダース注文したら、店主のミセス・コリーが「a Baker's Dozen」、つまり13個にしてくれた。
これは、現在でも使われる言い方らしい。
昔のパン屋さんは、おまけしてくれることが多かったのかしら。


"Mary Poppins" 'Mrs Corry' by P.L.Travers,1934

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