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ねこといぬと子どもの絵

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渋谷の松涛美術館で、「チャペック兄弟と子どもの世界展」を見た。

チェコのヨゼフ・チャペック(1887-1945)作、絵の「こいぬとこねこのおかしな話」は、チェコの国中で愛読されてきたそうだ。
弟カレルは「長い長いお医者さんの話」などの児童書の他、戯曲「ロボット」も書いている。
それを「人造人間」という題で築地小劇場で上演した時のポスターも展示されていた。「ロボット」ということばは、兄が創ったそうだ。

兄の描いたねこや子ども、弟の愛犬ダーシェンカなどどれも暖かくて楽しい絵だった。けれど、弟の病死後、兄は収容所で亡くなったといわれる。ペンや絵筆でナチスに抵抗したその絵は、ほんわかと優しいが、一本筋が通った奥深さを秘めていた。

プーの本名は?

有名なテディ・ベアの一つが「Winnie-the-Pooh」(クマのプーさん)である。
(ただし、ディズニーでなく原作の方に限る。)
ぬいぐるみのクマをテディ・ベア(teddy bear)と呼ぶのは、20世紀初めの狩猟好きの米大統領、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)の愛称「Teddy」からきているらしい。

ところが、原作では、プーは「Edward Bear」となっている。
最初に読んだとき、プーの本名がエドワードなのだろうかと不思議に思ったものだが、当時の英国では、そう呼んだのだろうか。
テディにせよエドワードにせよ、いずれにしてもクマは男の子だったようだ。

"Winnie-the-Pooh" by A,A,Milne,1926

ディズニーとは違うプリンセス

プリンセスと聞くと、若く美しいお姫さまを思い浮かべるが、
この本の登場人物の一人「Princess Doragomiroff」は、かなりの高齢で、おまけに全く美しくない。ロシア人の大金持ちで、高価な衣装を見につけ、姿勢がよく、はっきりして丁寧だが支配することに慣れた話し方をする。近寄りがたいが、独特な魅力を持つ人物だ。

"Murder on the Orient Express" by Agatha Christie 1934

石のスープの作り方

疲れて腹ぺこの三人の兵士が、ある村にやってきた。
村人たちは、見知らぬ兵士を恐れて食べ物を隠し、家にも入れようとしなかった。
三人の兵士は相談し、村人たちに
「何も無いなら、一緒に石のスープを作ろう」と提案した。
興味津々の村人たちは、三人の兵士の言うとおり、広場に大きな鍋を持ってきて水を入れ、焚き火に載せ、丸く滑らかな石を三つ入れた。

すると、三人の兵士が言い出した。
「塩と胡椒があれば、」
「人参があれば、」
「キャベツがあれば、もっと美味しくなるのに」
それくらいならと、村人が隠してあった食材を次々に持ってきた。
さらに、
「牛肉とジャガイモがあれば、お金持ちのスープになる」
「大麦少しと、ミルクが一杯あれば、王様のスープだ」
という注文も叶えられ、見事に美味しそうなスープが出来上がった。

村人たちは広場に大きな机を据え、パンと焼肉とリンゴ酒も持ち込んだ。そして三人の兵士を囲んで、飲んだり踊ったりの楽しいパーティが始まった。

こうして、三人の兵士は、美味しい食事と暖かい寝床を手にいれた。かたや、
「何も無くても、石のスープの作り方を教わった」と村人たちも大喜びなので、めでたしめでたし。

何はともあれ、大鍋で煮込まれた具沢山のスープが美味しそうな、冬にぴったりの絵本だ。

"Stone Soup" by Marcia Brown,1947

ホメロスとドーナツ?

この本の主人公は「Homer」、かの有名な古代ギリシャの詩人、ホメロスと同じ名前の少年だ。

ある日、新物好きなおじさんが「自動ドーナツ製造機」を店に入れた。
(おじさんの名前はなんと「Ulysses」、ギリシャ神話の英雄オデュッセウス!)

店番を任されたHomerが、ドーナツのタネを補充しようとしたところ、居合わせたお金持ちの婦人が、自慢のレシピでタネを作ってあげると申し出た。
そのタネを機械に入れると、美味しいドーナツができあがった。ところが、機械が止まらなくなってしまいどんどんドーナツが出てきてしまう。
そこへ、さっきの婦人が「ダイヤモンドの腕輪を失くした」と飛び込んできた。どうやらタネの中に入ってしまったらしい。
さあ大変!、膨大なドーナツの山から、どうやって見つけたらいいのだろう?・・・

自立していて、機転が利いて生き生きしている主人公が魅力的だ。
1940年代の元気な時代のアメリカの話だが、機械化に対する風刺もきいている。

'The Doughnuts’

"Homer Price" by Robert McCloskey,1943

丸くないドーナツ

この本は、19世紀後半、米国北東部に住む9歳の少年、アルマンゾのほぼ一年間の暮らしを描いたもので、おいしそうな料理がたくさん登場するが、その一つがドーナツだ。

アルマンゾの母の作るドーナツ(doughnuts)は、ねじった形をしている。
"They rolled over,Mother said,because they were twisted."
揚げるときに、「ねじった形だから、ひとりでにひっくり返る」のだそうだ。
"a new-fangled shape, round, with a hole in the middle"
「新式の丸くて穴のあいた形」を作る人たちもいるけれど、丸いドーナツはひっくり返さなくてはならないので、手間がかかるそうだ。
試してみたいものだ。

"Farmer Boy" by Laura Ingalls Wilder,1933

パン屋の1ダース

ジェインとマイケルは、メアリ・ポピンズに連れられてジンジャーパンを買いに行った。1ダース注文したら、店主のミセス・コリーが「a Baker's Dozen」、つまり13個にしてくれた。
これは、現在でも使われる言い方らしい。
昔のパン屋さんは、おまけしてくれることが多かったのかしら。


"Mary Poppins" 'Mrs Corry' by P.L.Travers,1934

The Important Book

コオロギにとってたいせつなのは、黒いこと。
コップにとってたいせつなのは、向こうが透けて見えること。
空にとってたいせつなのは、いつもそこにあること。

その他、いろいろのものについて述べられた後

「あなたにとってたいせつなのは、
'you are you'ということ。
あなたは赤ちゃんから子どもになった。
そしてこれからもっともっと成長して
おとなになっていくけれど、
一番たいせつなのは 'you are you'」
で終わる。

良く考えて作られた絵本という感じがする。

"The Important Book" Words by Margaret Wise Brown, Pictured by Leonard Weisgard(1949)

フライパンその2

クリスティの「Murder is Announced」に、登場人物の一人が、玉葱を炒めてオムレツ用のフライパンを駄目にしたと、フライパンの持ち主をかんかんに怒らせる場面があった。
オムレツ用のフライパンは、使用後に水洗いせず油をしみ込ませた紙で拭いていたのに、玉葱を炒めた後は水洗いしなくてはならないからだそうだ。

確かに、鉄のフライパンは、油をなじませるため使い始めに空焼きなど面倒な作業が必要だ。その後も手入れ良く使い込んだものは、鉄の表面に油の皮膜ができるので、焼きあがりが素晴らしいという。

今回、フライパンを修理に出している間に使うため、新しく鉄のフライパンを購入した。ただし、鉄の表面に加工してあるものなので手入れも簡単だ。

"Murder is Announced" by Agatha Christie

Deplorable Word

ナルニア国創世記、少年ディゴリーは、へっぽこ魔術師の伯父の企みで別世界に送られ、魔女を目覚めさせてしまう。

魔女が、その世界を破滅させたことばは「Deplorable Word」となっていた。「deplorable」は「嘆かわしい、悲しむべき」といった意味で、直接「滅亡」や「破壊」の意味ではないが、じわじわと恐ろしくなってくる深みがあることばだ。


"The Magician's Nephew" by C.S. Lewis

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