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「Percy Jackson & the Olympians」

ニューヨークに住む少年パーシーは、実は海神ポセイドンの息子で水を操る力を持つ。

神々が住むオリュンポスの山がニューヨークの上空にあり、ポセイドンはアロハシャツにバミューダショーツで現れ、酒神デュオニッソスはダイエットコークを手にする。ギリシア神話の神々や怪物がアメリカのテーマパークの登場人物に貶められてしまった。

「稲妻」「予言」「half-blood」と「Harry Potter」シリーズを想起させることばがあるが、アメリカ的に翻訳されているものもある。例えば「Hogwarts」校はサマーキャンプの「Camp Half-Blood」で皆Tシャツとジーンズ姿だ。(「Harry Potter」でも思ったが「half-blood」は日本語ではどうなるのだろう?) ファーストフードやクッキーが主で食べ物に魅力がないのもアメリカ的か。

魔法使いとではなく、神々と人間との間の「half-blood」の子どもたちは、ADHDとdyslexiaの学習障害を持っているが、実はそれは人間以上の能力があるのが裏目に出ているのだということになっている。
また、悪の根源は神々の父クロノスで、パーシーは愛する家族や友人を守るために敵と戦う「hero」になっていく。すべてが判りやすく説明されるハリウッド映画の世界だ。

ちなみに、トヨタとホンダの他には、敵の子分が日系の名前だった。

・・・とケチをつけつつ最終5巻まで読んでしまった。アメリカの地理の勉強にはなった。

(「Percy Jackson & the Olympians」Rick Riodan著)