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安曇野と黒部立山の旅

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 まず長野電鉄(私鉄)で善光寺へ行った。7年ぶりの「御開帳」で賑わっていた。参道で買った野沢菜と小豆入りの「お焼き」が熱々でおいしかった。
 次にJR普通甲府行きに乗った。「川中島」という駅があって武田信玄を思い出した。棚田がある「姥捨(おばすて)」という物騒な名の駅では、電車がスイッチバックで進んだ。

 JR大糸線で安曇野へ行った。車窓から、緑の山々の向こうに雪を頂いた北アルプスの山々が見えた。
 穂高駅で降りて碌山美術館へ行った。落ち着いた煉瓦造りの建物が、新緑によく似合っている。ロダンに師事した荻原守衛(碌山)のブロンズ彫刻は迫力があった。彫刻の「デスペア」(Despair)と、絵画の「黄水仙」が特に気に入った。
 このあたりは、水がきれいで気候も合っているので日本一のワサビの産地だ。山々を背景に若緑色のワサビ畑が広がっていた。すりたてのワサビは、香りはいいが辛味は強烈。でも唐辛子と違い、すっとひいて後に残らない。
 駅の方に歩いていくと、田植えの後の田んぼの水に山々が映っていて、また美しかった。

 立山黒部アルペンルートと黒部ダムをめざした。
北アルプスの険しい山々の間に黒部渓谷がある。そこにダムをつくるときに資材や人を運ぶため、渓谷の両側の山に難工事の末、トンネルが掘られた。現在は、トロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカー、バスを乗り継いでいける観光地になっている。
 その途中、立山の中腹にある室堂(むろどう)は、標高2400メートル以上の高さにあり雪の残る標高3000級の立山連峰の稜線が目の高さに見える。ただ、登山の苦労をせずに楽に雄大な眺めが堪能できるので、山への畏れが減るような気がして少し後ろめたい気がする。
 春に立山の道路の雪を除いて通れるようにしたところは、両側に高さ15メートルの雪の壁ができている。その「雪の大谷」をバスで通っていった。終点の立山駅は、まだ標高400メートルの高さがあるが下界に降りた気分になった。
 
 電鉄富山(私鉄)に乗った。深い山あいを渓流が流れる絵のような風景の中を、黄と緑の電車がゴトゴトと走っていく。少し平地に出ると水田の遠くに雪の立山連峰がずうっと見渡せたが、安曇野の風景の方が優しい感じがした。
 終点の富山市が近づくと急に町になった。長野県から北アルプスを越えて富山県に出た。富山名物「ますずし」を買った。