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いわゆる「ゲド戦記」

ゲド戦記」がアニメ化されるという宣伝が新聞に出ていたので、久しぶりに三巻を読んだ。昔はゲドを慕って読んでいたので、見知らぬ少年アレンに感情移入するのが難しく、やたらに暗い話だと思ったが、その後の巻でレバンネンとおなじみになったので、今回は、アレンつまり若き日のレバンネン中心で抵抗なく読むことができたが、改めて読み応えのある本だと思った。中表紙のルーン文字「The Rune of Ending」をあらわす最果ての地の星が印象的。年月を経て読み返して新たな発見があるのがいい本だと思う。
 それにしても、このシリーズ、最初はゲドが主人公だと思っていたので巻を追うごとにゲドの出番がなく肩透かしをくわされた感じだったが、改めて題名を見ると「A Wizard of Earthsea」「Tombs of Atuan」「The Farthest Shore」そして「Tehanu」「The Other Wind」つまり、アースシー、アチュアン、さいはての岸と地理的に遠くなり、テハヌーは空の星、最後はドラゴンの住む別世界へとアースシーの世界がどんどん広がっていく。作者の頭の中では、アースシーの地理が最初にあり、オジオンもゲドもテナーもレバンネンもその中の住人という位置付けなのだろう。今にしてみれば「ゲド戦記」という超訳がまずかったのではないか。

鉄の鍋

新しい鉄の鍋でシチューを煮ている。「ものいうなべ」のお洒落版のようだ。でもこの鍋は、山越えて金持ちさんから何か持ってきてはくれないので、シチュー用牛肉を買いにいった。それに粉をはたき焼き目をつけて、玉葱、赤ワイン、月桂樹、トマト缶と水を入れた。いつもの材料なのに、お洒落な鍋なのでお洒落に見える。弱火で煮ていると「ことこと、ことこと」音がする。音を聞いていると幸せな気分になってくる。火の回り方が柔らかいのでおいしそうに煮えそうだ。出来上がりが楽しみ。

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