正倉院では、8世紀、奈良時代の宝物を中心に約9000点が伝えられてきた。その中から、今年は北倉(ほくそう)、中倉(ちゅうそう)、南倉(なんそう)、聖語蔵(しょうごぞう)合わせて56件の宝物が出展された。
その中で印象に残ったものは、
・玳瑁螺鈿八角箱(たいまいらでんはっかくのはこ)・・・螺鈿飾りの箱、仏具
・犀角如意(さいかくのにょい)…僧が儀式に持つ棒
・沈香木画箱(じんこうもくがのはこ)・・・木画という手法の精緻な飾り箱
当時、一番美しく華やかで高価なものは、仏具だったようだ。
今年の古文書は、当時の公務員である写経生の借金証書だった。
保証人を3名立て、抵当に布を出し、利息をつけて返済する旨が書かれていて、返済した場合もきちんと記録されていた。
湿気の多い気候と火災も多かった木造の建物の中で、1200年前の品々がこれほど保存状態が良く残されてきた事は素晴らしい。