「The Eagle of the Ninth」は、何年かに一度どうしても読みたくなる本の一冊だ。
舞台は2世紀のローマ属州ブリタニア。怪我をして退役したローマ人の若者マーカスは、ブリトン人の友エスカとともにハドリアヌスの壁を越え、父が最期まで守ろうとした第9軍団の旗印のワシをエピタイ族から取り戻すが、追い詰められる。絶体絶命の危機に陥ったマーカスが、それでも自分の冒険はやった価値があったと思い巡らし納得したとき、細い茎が風に吹かれながらも、挑むように頭を上げている小さな「harebell」に目が留まる。それほど青い花を見るのは初めてだった・・・。
この印象的な小さな花、「harebell」は、スコットランドのブルーベルと呼ばれる。日本語では「イトシャジン」。「シャジン」は中国由来のことばで「釣り鐘」を意味するそうだ。
”The Eagle of the Ninth ” by Rosemary Sutcliff,1954