香川県の小豆島(しょうどしま)は、60年以上前に日本で最初にオリーブの芽が出たところだ。遠洋漁業で獲れた魚を保存するため、油浸けにして缶詰にする方法を海外から学んだ日本人は、教えられたとおり「オリーブ油」でなければいけないと思い込み、日本でオリーブの栽培を試みたのだそうだ。
オリーブの木は、実を手で摘みやすいように背の高さを揃えて剪定するため、遠くから見ると新しい木と古い木の区別がつかないが、古い木は幹が太くてねじれていて風格があった。葉も幹も白っぽく緑がかった地中海原産のオリーブの木々が、瀬戸内海を背景に、しっかり根づいて並んでいるのは、なかなか珍しい光景だった。
ちょうど花が咲く季節で、白くて小さな花が満開になっていた。