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囃子(はやし)その2

 能の音楽を囃子(はやし)という。向かって右から能管(のうかん)という竹の横笛、小鼓、大鼓、太鼓という順に並ぶ。謡(うたい)は一番右手に座る。
 弦楽四重奏などは、少し扇形に位置して互いにアイコンタクトなどで息を合わせるが、囃子の場合は、横一列に並んでいて脇見も禁じられ、掛け声や気配を読むことで調子を合わせるそうだ。そして、正座して背筋をスッと伸ばして演奏する姿は美しい。これも体を揺らして熱演するヴァイオリニストとは大きく違う。西洋音楽に馴染んだ身としては、わが国の伝統音楽ながら目新しいことばかりだ。