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ハプスブルクと古代ローマ

「Theハプスブルク」展を見た。ウィーンとブダペストの美術館にあるハプスブルク家所蔵の絵画などの他、明治天皇からオーストリア=ハンガリー帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に贈られた画帳と蒔絵棚もあった。浮世絵っぽい絵は当時さぞ珍しかったことだろう。
肖像画では、貫禄あるおばさまというイメージの女帝マリア・テレジアの11歳のときのものは、細く若々しくて何よりきりっとした顔立ちが印象的だった。皇妃エリザベートは、予想通りの美しさだった。その他いずれも保存状態がとてもよい。

翌日は「古代ローマ帝国の遺産」展を見た。巨大なアウグストゥスの大理石の坐像や、アレッツオのミネルヴァのブロンズ像など、実物の迫力はさすがだった。
また、ポンペイから出土した装身具、銀食器、壁画などから当時の生活水準の高さがうかがわれる。

ハプスブルク家により名画の数々がよく保存されてきたように、時代はずっとさかのぼるが火山灰に埋もれたポンペイの悲劇が、結果として当時の品々をよく保存することになった。そのおかげで、現在、はるか昔の人々を身近に感じることができる。過去から現代へとつながった時の流れを感じる。