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十和田、奥入瀬の旅(その1)

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 まず、秋田県秋田市、旧佐竹藩の久保田城跡、千秋(せんしゅう)公園をのぞいたあと、秋田新幹線こまちで角館(かくのだて)へ。ここは、古いものは二百年前に建てられた武家屋敷が保存されている。黄色く色づいた木々を背景にした武家屋敷が並ぶ通りは、江戸時代の雰囲気。その中の青柳家の親族の小田野直武は、平賀源内に学び、解体新書の表紙や挿絵を描き、秋田蘭画といわれた油絵も描いた画家だった。ここは又、しだれ桜の名所。桜皮細工の実演をしていたので茶匙を買った。
 次は、抱返り(だきかえり)渓谷へ。青緑色の渓流に映える原生林の紅葉を眺めながら、つり橋を渡り、遊歩道を行くと、目の前に勢いよく水がほとばしる滝が現れた。
 翌日は、岩手県盛岡市から東北新幹線はやてで青森県八戸市へ。そこからバスで行き、奥入瀬(おいらせ)渓流に沿って歩く。奥入瀬川は、十和田湖から流れる唯一の川で太平洋に注いでいる。年中豊富な水量でゆったり流れるので、川岸の丸太や流れの中の石には緑の苔が生えている。せせらぎの音を聞きながら黄色の落ち葉が降りそそぐ中を歩いていくと、時間の感覚がなくなってしまう。
 十和田湖で遊覧船に乗り湖を渡る。十和田湖は、青森県と秋田県にまたがった湖で、湧き水のため透明度が高い。濃い青色の水に、様々な色合いに染まった周囲の山々がよく映える。東北の紅葉は、山々全体がブナの黄色に染まり、その所々に、カエデのオレンジやナナカマドの赤、マツの緑が混ざっているスケールの大きな美しさだ。船を降りると、風が冷たく、冬が近いのが感じられる。湖畔の高村光太郎の乙女像を見てから、十和田プリンスへ。ちなみにここは秋田県。ホテルのロビーに本物の暖炉があり火が燃えていた。暖炉の火を見ていると、身も心もあたたかくなって、ほっとする。ついでにFloo Powderが使えそう。
 翌日は、十和田観光電鉄で青森県十和田市から三沢市へ出て帰路についた。リンゴがおいしそうだったのでどっさり買い込んでしまい重かった。雨模様でハラハラさせられたが、要所要所では日が射し、晩秋の美しさを堪能した旅だった。