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トンボソのおひめさま

 もぎたてのリンゴが、おいしい季節。ころっと小ぶりで真っ赤な紅玉は、可愛くて、一人で食べるにも手頃で、酸味がきいていて、アップルパイに入れてもおいしい。
 紅玉を食べていると、美しいが性格が悪い「トンボソのおひめさま」を思い出す。
彼女は、若者から宝物を取り上げようとしたが、リンゴ好きが災いして、罰として「30センチばな(鼻)のおひめさま」になってしまった。でも、おいしそうなリンゴの誘惑に負けてしまったところが憎めない。
(「トンボソのおひめさま」岩波書店)