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「100のモノが語る世界の歴史」

「大英博物館展」を見た。
国を問わず、年代順に100点のモノが展示されていた。

・メソポタミアの大洪水伝説を語る粘土板。旧約聖書のノアの箱舟より古いギルガメシュ王の伝説。
・100年頃のイタリアのミトラス神像。キリスト教に負けてしまった。
・400年頃のイギリス、ホクスン(地名)の銀製胡椒入れ。優美な貴婦人の上半身を模している。ローマ軍がブリタニアから撤退したときにローマ人が埋めたものだそうだ。(40-410)
・日本から選ばれたモノ。
①紀元前5000年頃の縄文土器。19世紀になって蓋が付けられ、内側に金貼りをされて茶道具になっていた。それを所蔵していたのは、シーボルトの息子だそうだ。
②1400年頃の韓国の磁器、粉青沙器(ふんせいさき)の欠けた椀が、日本で金継ぎされたもの。茶道の茶碗として珍重されたそうだ。
③19世紀の北斎漫画。開国後、西欧に流出して人気を博した。

英国から見た日本という点でも興味深かった。
説明の世界地図が大西洋中心なので、日本は昔の言い方だと正に「極東」にあった。
英国は、明治時代の日本から見れば「大英帝国」だったが、ヨーロッパ大陸の中では辺境にあり歴史も浅い。だから、古いものを蒐集するのに情熱を傾けたのだろう。

見終わって、果たして人類は進化しているのか、いないのか、複雑な気分になった。