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夏の甲子園

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 兵庫県西宮市の甲子園球場に夏の全国高校野球の開会式を見にいった。今年は、北京オリンピックのため例年より早いらしい。今年は第90回記念大会で、そのイベントが先にあるというので、早めに出て7時半過ぎに着いた。
 球場の周りには、プラカードを持つ白い帽子をかぶった女子高生たち、出番を待つ各地のユニフォーム姿の高校生たち、おっかけの?カメラ片手の茶髪の女の子たち、名札を下げた関係者たちなどいろいろ。席に座ると、緑の芝生に黒っぽい土、頭上には薄雲がかかった水色の空がひろがり、向こうに六甲の山並みがかすんでいる。セミの声が聞こえ、暑いけれど時おり風がそよぐ。ドームでなく自然が感じられるのがいい。観客は、それこそ老若男女だが、プロ野球よりはのんびりしていると思う。どんどん席が埋まっていく。隣の団体は、人文字の練習をしていた。
 開会式は型どおりだが、やはり沖縄から北海道までの高校生がそろうのは壮観だった。応援団もバスや飛行機ではるばる来るのだろう。選手宣誓も無事終わった。その後の第一試合は、「山口県の下関工」対「北-北海道の駒大岩見沢」。始球式のボールがヘリコプターから落とされるのだが少し外れたところに落ちたのがご愛嬌。双方の応援団の必死の声、飲み物売りの声、選手を紹介するアナウンスの声、バットに球が当たるカーンという音、どよめく観客の声。テレビのうるさい解説がないのがいい。
 気がついたら、どんどん日が高くなってセミは聞こえなくなっていた。駒大岩見沢が8対6で勝ったが、勝っても負けても満足、という感じだった。勝者の校歌が流れ校旗が掲揚されたが、すぐに降ろされた。試合が終わると、双方の応援団がぞろぞろとひきあげ、次の試合の応援団がぞろぞろとその後を埋めていく。球場の外には、タオル、ペナント、Tシャツなど「高校野球グッズ」をどっさり売っていた。高校野球は、単なる試合だけでなく、いろいろ含まれた一大イベントだ。阪神電車の駅に向かって歩いていくと、この暑さの中、その後の試合を見に、どんどん観客がやってくるのに驚いた。