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不規則信号の解析

困った不規則信号

今まで見てきたフーリエ展開や変換は信号の解析にとても役立ちますが、世の中にはこれらが使えないケースもあります。 実際の音や信号を扱う時、雑音(ノイズ)が載ってくるのは避けられません。この雑音を除去するためには雑音の性質を知る必要がありますが、残念ながら雑音はそのままではフーリエ変換できません。また、雑音は一般に物理的な条件が全く同じでも、毎回異なる波形が観測され、区間を限ってフーリエ変換しても、毎回結果が異なってしまいます。そこで、これらを扱うには別の手段が必要になります。

ちょっと面倒な話…「エルゴード性」

☆この節は飛ばしてもOKです
先にも言いましたが、不規則信号は全く同じ条件でも観測する場所、機会を変えるたびに違った波形が出てきます。とはいえ、同じ原因で発生する雑音は互いに似通っていて、別の雑音とは区別できます。例えばテレビの放送がないチャンネルに合わせた時の「ザー」という音は時間、場所によって全て異なりますが、耳で聞くとどれも似通って聞こえます。
ここで、これらの信号が全て「同一」の不規則信号だと扱いたい時、ある地点のあるチャンネルを無限の時間観測すれば、他の地点でその信号を観測したのと同等なデータが得られるのでしょうか?これは「時間と空間は対称なのか」という問題につながり、一般的に「エルゴード性」と呼ばれています。この問題に対する証明はまだ出来ていないようですが、一般にこの世界ではエルゴード性が成り立つと信じられています。これは以下の議論をする上での大前提です。

不規則信号の周波数解析は「パワースペクトル」

前節のエルゴード性を仮定すると、不規則信号も一般的に一つの関数で表すことができます。下の図は不規則信号の一例です。これらの信号ははっきりした「周期」を持つわけではないですが、なんとなく振動の激しさが違います。ではこの関数をフーリエ変換したらいいのか…というと、そう簡単にはいきません。この信号は無限に振動し続け、t→±∞でも0にならないので、そのままではそもそもフーリエ変換の計算が出来ません。また、区間を有限に限ってフーリエ変換すると、選ぶ区間を変えるたびに結果が異なってしまいます。
そこでちょっとした工夫(妥協?)をしてみます。先に「選ぶ区間を変えるたびに結果が異なる」と言いましたが、 できず、伝達関数などの計算も不可能です。
とはいえ、ないので、簡単には考えられません。この振動の激しさのようなものをうまく表わすために考えられたのが、「自己相関」です。
そもそも相関関数

不規則信号は相関関数で見よう

パワースペクトル密度関数

この自己相関関数はt→±∞にすると0に収束するので、フーリエ変換することができます。 こうしてフーリエ変換したものをパワースペクトル密度関数といいます。これが初めに知りたかった不規則信号の「周期」です。

ウィーナー・ヒンチンの定理

不規則信号と線型システム