関数の展開って、計算の式は分かっても収束云々の議論がややこしいですよね。
そもそも、展開ってどういうことなのでしょうか。下の式を見てください。
要は数を小数で表しただけなんですが、どことなくテーラー展開に似ていますよね。
これは1/7 の(0.1)の一次(1乗)成分が1、二次成分が4と見ることが出来ます。
(0.1)
nの係数は10より小さい、という条件を入れると、
このような「展開」の仕方は一通りに決まります。
このように「成分ごとに分ける」ってのが展開の極意です。
では、テーラー展開での「剰余項の評価」というのもやってみましょう。
(但しaは0?a?10のある実数)
剰余項って要するに「あまり」なのです。
このとき、(0.1)
4までの展開で1/7を表そうとすると、
最大10×(0.1)
5=(0.1)
4の誤差が出てくるわけです。
テーラー展開での剰余項の式と似てませんか?
この「展開」(?)をすると、例えば
やπなどの無理数の近似を求めることができます。
近似とはいっても、実際計算する時は無限に詳しい必要はないわけで、
πなら3.14(いや、最近は3なのか)で十分なわけです。
これが一次近似式とか、二次近似式のイメージ。
関数の展開ってのは、上で見たように「成分ごとに分ける」のが基本。
で、多変数のときどうなるのかですが、
テーラー展開ってのは「変数の次数ごとに分ける」ものだから、
という形になると考えるのが自然です。
これ、教科書の式を見ると複雑なようですが、規則に気づけば意外と単純です。
二変数の場合は「パスカルの三角形」という便利なものがあるので、これを利用してまとめたのが下図です。
(ただしこれはマクローリン展開)