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「銀のシギ」 エリナー・ファージョン


 この調子で紫外線を浴びつづけると、その内こげぱんになってしまいそうです。美白が流行のこの時代になんてこと・・・!!いや、本当に紫外線は体に悪いそうです。上半身裸で遊びまくってた幼稚園の頃が懐かしいです。といっても今そんなことしても怖いですが(逆セクハラ?)。・・・なんだか書いてることがおかしいですね。
 さて、本題へ。突然ですが、同じ作者の本何冊かの中で「この本が好き」って思うことないですか?私にはそういう本が幾つかあるのです。それは例えばサトクリフの「銀の枝」(でも今は「辺境のオオカミ」が一番)だったり、今回紹介する、エリナー・ファージョンの「銀のシギ」だったりします。・・・あれ、もしかして私って「銀」が好きなんでしょうか。でもナルニアだったら「銀のいす」より「朝びらき丸~」の方が好きだしなぁ。違いますね。で、「銀のシギ」なんですが・・・。これは、題名こそ違いますが(でも、大きな違いでもある)グリム童話の「ルンペルシュティルツヒェン」や、イギリス民話の「トム・ティット・トット」を下敷きとして書かれたものです。元ネタを知らないと面白さ半減だと思うんで、簡単にお話を説明しましょう。ネタバレすぎです。嫌な人は本を読んでから読んでください。
 昔、あるおかみさんがパイを五つ焼きました。しかし怠け者の娘がパイを全部食べてしまいました。おかみさんがあきれて♪うちの娘はパイ五つ食った~♪とか何とか歌っていると、その国の王様が通りかかり、歌のことを聞きました。おかみさんは大食いの歌だというのも恥ずかしいので代わりに♪うちの娘は麻糸五かせ紡いだ~♪と歌いました。それを聞いた王様はその娘と結婚したいと言いました。しかし、それには条件があって、その娘は一年のうち一ヶ月は、毎日麻糸を五かせ紡がなければならないというのです。でも娘はもともとそんなことをしたことがありません。あら困ったどうしよう。というころへ小さい黒いもの(小鬼?)がやってきて、一ヶ月の間、毎晩糸を紡いでやる代わりに自分の名前をあてろ、もし一ヶ月の内にあてられなかったら一緒に暮らせ、という取引を持ちかけます。娘はOKします。しかし名前がちっともあたりません。ところが一ヶ月の最後の日、娘は王様からたまたま小鬼の名前を聞きます。そしてその夜、小鬼は名前をあてられ、去っていき、二度と娘の前に現れませんでしたとさ。
 えらく長くなってしまいました。また、もう一つの説では小鬼は最後、自分の体を真っ二つに引き裂いてしまいます。で、問題の小鬼の名前が、「ルンペルシュティルツヒェン」だったり「トム・ティット・トット」だったりするわけです。そして「銀のシギ」は、この話にさらにマザーグースの「月の男」をからめています。そしてそれによってとてもナイスな話にもなっています。エリナー・ファージョンはいろんな話を書いていて、有名なのは「マーティン・ピピン」シリーズとか、「麦と王さま」あたりでしょうか。私はどれも結構好きなんですが、今回これを選んだのは、好きだからというのと共に、ファージョンの生い立ちが面白いと思ったからです。まあ、それについては、私の感想や、他のファージョン作品についてのこととかと共に次回また書きたいと思います。書いていたらとても 一回には収まらない量になってしまいましたので(笑)。
 と、いうわけで、次回は密度の濃いものになると思います(予定。あくまで予定。)ので、お楽しみに。では。
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