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「指輪物語 旅の仲間」 J.R.R.トールキン


 今回は予告のとおりJ.R.R.トールキン「指輪物語」を紹介させていただきます。でも何しろ壮大な話なので、映画に合わせて今回は三部作の最初、「旅の仲間」に絞ることのします。で、初めに断っておくと、家にある「指輪物語」は、昭和52年発行の古い文庫本なんで、今売ってる日本語訳とは若干違うと思われます(学校の図書館で新しい本見てたら「サルーマン」が「サルマン」ってなってました。びっくりびっくり)。ので、「え?」とか思われる点があっても、間違いではありませんので気にしないで下さい。
 あらすじっているのかな?この頃映画のおかげで大分浸透(?)してきてると思うんだけど・・・。まあ一応、ね。「ホビット族のフロドは伯父(正しくは両親のいとこ)のビルボから受け継いだ指輪が、冥王サウロンの作った『一つの指輪』だと魔法使いのガンダルフから知らされる。『一つの指輪』は、はめると姿が見えなくなり、他を支配する力を持つと共に、持ち主は必ず指輪に支配され、弱い者はサウロンの手下に、強い者は新たな冥王になってしまう。それを防ぐには指輪の作られた場所、火の山の『滅びの亀裂』に指輪を投げ入れ、破壊するしかない。フロドは仲間のホビットやドワーフ、エルフ、魔法使い、人間達と、火の山を目指して旅立つ。」ホビット、ドワーフ、エルフはそれぞれ種族の名前です。引用すると「はじめに生(あ)れしが エルフの子らよ。次が穴掘りドワーフ、暗闇住まい。三が土生のエント、山ほど古し。四が定命の人間、馬を御したり」・・・分かりませんね。知りたい方は読みましょう。読むべきです。
 まあ読む点で言いたいのは、まず「ホビットの冒険」を読もう、ということですね。トールキンさんは、「指輪物語」の世界を完璧に細かいところまで(それまでの歴史だとか、言葉だとか。というか、言葉は一番メインです。エルフ語、ドワーフ語、ルーン文字、etc・・・)考えているので、その背景を少しでも分かっておくとより楽しめると思うのです。
 で、この話でポイントとなるのは指輪の魔力です。指輪を自分の物にしたいという誘惑に勝つか負けるかというところで運命が大きく変わってきます。サルーマンとガンダルフは同じ魔法使いですが、サルーマンは指輪の研究をする内にその魔力に負け、白の会議から追放される一方、ガンダルフはよく知るホビットの元に指輪があるのを知りながら受け取らず、「旅の仲間」(指輪破壊のための仲間)にもなります。また、アラゴルンとボロミア(私の中では彼を「ボロミー」と呼ぶのがお気に入りだったんですが、映画(字幕)では本当に「ボロミー」と聞こえてびっくりでした)も同じ人間ですが、誘惑に負けたボロミアとそうでないアラゴルンにはその後の違いがはっきりと表れます。その指輪の「試練」という形がはっきりと分かるのはガラドリエルの奥方のシーンだと思います。
 ええと、私は「ホビットの冒険」→「指輪物語」という順で読んだんですが、驚いたのは、前者では絶対的に強かったガンダルフが、後者では迷ったりつかまったりしていた事です。それはガンダルフに限らず、「指輪物語」全体としても、絶対的な「善と悪」というものの他に、別の力」があるような気がするんです。でも「黒の乗り手」の恐ろしさには変わりありませんが。
 今回はなんだか硬い感じですね。疲れのせいでしょうか。いや、前回がぶっ飛びすぎてたんですね、きっと。えー、「二つの塔」「王の帰還」についてはまた回を改めて書くことにします。もう本当に書きたいことがありすぎてありすぎて・・・。今回だって、予定の三分の一も書けてません。トム・ボンバディルについてとか、塚人についてとか、某映画館でボロミアのフィギュアが「ポリマー」という表示で売られてたこと(実話。しっかりしろよ、MOVIX●甲!)とか・・・。最後の一つはどうでもいいですけど、トムについては本当心残り。悔し〜っ!!ま、仕方ないですね。
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