スウェーデンの鉄道車両 (写真集)

スウェーデンの鉄道は北欧で一番発達しています。広大な国土と低い人口密度のため、モータリゼーションも進んでいますが、それでも都市間には最高速度220km/hのX2000が1時間おきに運転されています。かつては国内メーカー(ASEA)製の車両が大部分でしたが、メーカーの統廃合が進んだ現在ではボンバルディア社(本社カナダ)によるものが多くなっています。

Mtab/Lkab (オーフォート線)

オーフォート線は世界最北の旅客鉄道です。キルナ(Kiruna)鉄山の鉄鉱石をナルヴィク(Narvik)やルレオ(Luleå)に運ぶために開通しました。元々はスウェーデン国鉄(SJ)が運営していましたが、SJが民営分割された現在では、貨物輸送は第三セクターのMtabが行い、機関車の管理もMtabに移管されています。旅客列車はConnexによる運営で、後述するRc6機関車が寝台車・座席車を牽引します。

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IORE (世界最強の電気機関車)

IORE (世界最強の電気機関車)

MtabのIORE型は、世界一の引張力を持つ機関車です。六動軸・片運転台の二両を背一ユニットにして用いられます。全長は23*2=46mにもおよび、これは日本最大の電気機関車・EH500 (25m) の2倍近いです。出力は10800kwで、EH500 (4000kw) の2倍以上です。ナルヴィク(Narvik) - キルナ(Kiruna) - ルレオ(Luleå)を結ぶオーフォート線で、50両以上の鉄鉱石列車を牽引しています。製造はボンバルディア社です。

Dm3

Dm3

MtabのDm3は、登場時は世界一の引張力を誇った機関車です。巨大なモーターを装箇し、動力伝達には吊掛式やカルダン式ではなく蒸気機関車のようなロッドを用い、三車体永久連結です。車体はリベットで組み立てられで、重厚なイメージです。2006年現在では依然こちらが主力で、オーフォート線でフィヨルドの上を走る鉄鉱石列車の牽引に当たっています。

スウェーデン国鉄(SJ)

スウェーデン国鉄(SJ)は上下分離方式の民営分割化が行われ、名前は同じながら株式会社になりました。新生SJは車両・駅設備を中心に積極的な投資を行い、一定の成果を上げているようです。一方で線路設備面の問題により、遅延を克服するまでには至っていないようです。ストックホルム近郊電車は早くからSLに運営分離されていましたが、近年その他の地域交通も地域会社に運営分離され、車両に様々な塗色のバリエーションが生まれています。

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SJ X2000 旧塗装

SJ X2000 旧塗装

X2000は固定編成の高速列車です。最高速度200km/h・振り子式で、スウェーデン国内にネットワークを作っています。X2000は大きな成功を収め、1990年代以降の鉄道の復権に大きな役割を果たしました。リンクス(Lynx ) によるオスロ直通からは撤退しましたが、依然フラッグシップとして活躍しています。更新車はグレーになりました。

SJ X2000 (X2系)

SJ X2000 (X2系)

電気機関車 (Rc6ほか)

電気機関車 (Rc6ほか)

SJの輸送の中核を担うのは、先のX2000とICです。ICはRc6などの電気機関車が、3-8両の客車を牽引する形態です。主力の機関車はRc1-Rc7まで7タイプありますが、外見からの区別は難しいです。

SJ 客車

SJ 客車

客車は2006年現在、専ら古いものが用いられていますが、車内はリフレッシュされています。

SJ X40 近郊形電車

SJ X40 近郊形電車

電車列車は主にRegular Tårgと呼ばれる普通列車に充当されています。普通列車とはいえ駅間隔は長く、また最高速度もIC (160km/h) より速い200km/hなので、ICより速い物も多いです。現在の最新型はアルストム社製のX40シリーズで、二階建ての車体を持ちます。なおストックホルム近郊電車(X1, X10, X60)はSLの項で扱います。

SJ X50系列 近郊形電車

SJ X50系列 近郊形電車

X50シリーズは2001年に登場しました。ボンバルディア社製で、近年中国に兄弟車がCRH1の名前で輸出されています。会社によってX50, X51, X52, X53に分かれていますが、内装に大きな違いはありません。

SJ X11系列 近郊形電車

SJ X11系列 近郊形電車

1980-90年代に近郊交通用にX10シリーズが大量増備されました。扉数や車内設備に様々なバリエーションがあり、X11, X12, X13, X14に形式が分かれています。

アーランダ・エクスプレス (X3)

アーランダ・エクスプレス (X3)

アーランダ空港(Arlanda)とストックホルム中央駅を結ぶ高速列車です。最高速度210km/hで、この間を20分で結びます。運営するA-Trainは車両(X3)と駅設備のみを管理し、SJと路線を共有しますが、ストックホルム北部の線路状況は南部に比べて余裕があるので、ほぼ定時に運行されています。

ストックホルム市内交通 (SL)

ストックホルム市内の交通は地下鉄、トラムや郊外線が走っています。これらは全てSLと呼ばれる市内交通公社が管理していますが、運営はConnexによるものが多いです。地下鉄は赤、緑、青の三つの路線があり、赤(レッドライン)と緑(グリーンライン)はT-celtralen-Slussen間で複々線を形成します。末端部は郊外のニュータウンまで伸びており、地上に出る路線も多くあります。第三軌条式で、青(ブルーライン)のみ750V、他の線は650Vです。
近郊電車は、"振り子"列車を意味するPendeltågと呼ばれています。編成は多くが北欧の近郊電車で一番長い8両ですが、SJの長距離列車と線路を共有している関係上、頻度はやや低いです。特にStockholm中央駅 - Stokholm syd(南)駅間では、Göteborg・Malmöに向かう列車とPendeltågがたった一つの複線を共有しているため、輸送の大きな障害になっています。これは都心部にトンネル建設するCitybanan(シテュバナン)線の開通により解決される見通しです。
ストックホルムのトラム(市電・Trikken)は、スウェーデンが左側通行から右側通行に変更された1967年に廃止されましたが、専用軌道を主体とする二つの路線が生き残りました。Lidingöbanan(リディンヨバナン)と、Nockebybanan (ノッケビュバナン)です。2000年に、路面区間を持つ新しい路線開業しました。Tväbanan(トゥヴォルバナン)がそれで、放射状の地下鉄路線を環状に結びます。TväbananとLidingöbananは海沿いを走る区間もあり、車窓は美しいです。

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SL X60 通勤形電車

SL X60 通勤形電車

X60は、ペンデルトーグ久しぶりの新車です。フランス・アルストム製で、今までのX1, X10系には見られない曲線的なデザインを持ちます。車内はバリアフリーを考慮した低床構造で、連結部は少し高くなっています。また地下鉄C20系に類似した短車体連接構造を持ち、26mの車体を持つ在来車に比べて定員が増加しています。

SL X10 通勤形電車

SL X10 通勤形電車

X10系シリーズは1980-90年代に近郊交通用に製造されたグループです。X10はストックホルム近郊輸送用に作られたグループで、両開き3扉固定クロスシートを持ちます。ASEA車製の無骨な外観を持ち、X1系とも併結されています。

SL X1 通勤形電車

SL X1 通勤形電車

X1は、スウェーデン国鉄(SJ)初の本格的な電車です。1967年の登場以来ストックホルムの近郊電車・Pendeltåg(ペンデルトーグ)として用いられていますが、X60の投入により廃車が始まる模様です。

地下鉄 C20系

地下鉄 C20系

ストックホルムの地下鉄(T-banan, テーバナン)は全線共通規格で、ATO自動運転が行われています、C20は1997年から導入された新型車で、小田急ロマンスカーやACトレイン/E331系のような短車体連接構造を採用しています。車体長は14m, 12m, 14mで、連接部は立席スペースになっています。これにより車体幅が広がり、定員増加が図られました。既に半数以上の置き換えが完了しています。

地下鉄 Cx系

地下鉄 Cx系

C8系, C9系, C10系, C12系はCxと総称される古いスタイルの車両で、18m・3扉の車体を持ちます。これらは世界に先駆けてATO自動運転を実現した、記念すべき車両です。一部は郊外電車であるSaltsjöbananに転用され、中央扉を閉鎖しての2扉化とパンタグラフの搭載、車体幅の拡大が行われています。

Roslagsbanan

Roslagsbanan

Roslagsbanan (ロスラグスバナン)は、ストックホルム北部を走る近郊電車です。元々は1888-1906年に私鉄として開業しました。現存する北欧初の電気鉄道でもあります。ゲージは891mmのナローゲージで、新型車はVVVFながら吊掛式を採用しています。こぢんまりした規模が好ましい鉄道です。

トラム A32形

トラム A32形

Nockebybanan (ノッケビュバナン)・Tväbanan(トゥヴォルバナン)では、AdTrantz(アドトランツ→ボンバルディア)製の新型低床トラム・A32形が用いられています。運転席直後の電動台車部を除いて低床になっており、車いすでの乗降が容易です。

トラム A30, B30形

トラム A30, B30形

Lidingöbanan(リディンヨバナン)では、古いA30・B30形が更新されて使われています。中央部に外開きのプラグドアが一カ所設置され、2-3連で運転されています。全線が専用軌道を走り、吊掛音を響かせて快走します。また、ラッシュ時のNockebybanan (ノッケビュバナン)でも用いられています。

その他の鉄道 (トラム)


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ヨーテボリのトラム

ヨーテボリのトラム

ヨーテボリのトラムは、スウェーデンで一番発達しています。郊外線は地下鉄規格で建設され、高速運転されます。市内にもバイパスのトンネルが一つあります。車両は丸っこいM28と3車体連接のM31が主力です。

ノルショーピンのトラム

ノルショーピンのトラム

小さいながら、Norrköpingにもトラムが残っています。車両は小綺麗で、超低床車も投入されています。中心街ではトランジットモール(歩行者天国にトラムが走る)になっています。