デンマークの鉄道車両 (写真集)

デンマーク国鉄

DSBの車両には、見る人に強烈な印象を与えるものがあります。これらはとてもユニークですが、同時に実用的な要請に基づいています。今では正面全体がゴム幌になっている、チューブのようなディーゼルカーは世界各地に輸出され、短車体連接の通勤電車も各国で注目を集めています。
20年前にはデンマークには航送の列車が多く存在し、IC(特急)も編成を短く分割して積み込む必要がありました。しかし貫通式のデザインは幅が限られます。そんな中、DBSでは画期的な「正面全部を貫通扉にする」デザインのIC3を登場させました。これは大成功で、同形態の電車であるER・ETも作られました。

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IC3 IC用気動車

IC3 IC用気動車

IC3は、デンマークの代表的な特急形気動車です。連接式の3両固定編成ですが、正面に大きな貫通幌を持ち、9両など長い編成も組みます。最高速度は160キロです。IC3は愛称で、車両形式はMFになります。電車であるERとの併結も行われ、ICとして活躍しています。ゆったりしたシートが並んだ、ER よりも豪華な内装を持ちます。

DSB ER IR電車

DSB ER IR電車

コペンハーゲン周辺でよく見かけるのが、このER 形電車です。車体はIC3(MF)気動車を基本に、短距離輸送向けにドアの数を増やし、座席も簡素化され、自転車用のスペースが設けられました。編成も4両編成が基本です。コペンハーゲンを中心とした近距離列車 (IR) や、IC3の増結用として運用されています。

DSB ET IR用電車

DSB ET IR用電車

2000年に、デンマークとスウェーデンを結ぶ橋が開通し、オスアン海峡線(Öresund, オーレスンとも)が走り始めました。ET 形電車はここの主力です。デンマーク国鉄スタイルで、正面はゴムチューブ形・ドア配置も変則的です。ヘルシングーア = マルメを中心に、一部はヨーテボリまで足を伸ばします。

ML形気動車

ML形気動車

ML形は、ダイムラー・ベンツの鉄道部門により製造されました。Lynette形と呼ばれ、各地の私鉄で見ることが出来るほか、DSBも所有しています。ML-ML, ML-FL-ML, ML-FL-FL-MLなどの編成を組み、常時固定編成で使用されます。また、Helsingør (ヘルシングーア)から西に延びる線では、このML形が路面を走ります。

ホーンバエバネン

ホーンバエバネン

Hornbæbanen (ホーンバエバネン) は、Helsingør (ヘルシングーア) から西に延びる支線です。ヘルシングーアと Grønnehave (グオンネハウ) の間では、ML形が路面を走ります。

MR形気動車

MR形気動車

MR 形は、1978 年から製造された、ローカル線用気動車です。最高速度は 140km/h です。正面デザインはStog用のMC形と類似しています。車内はゆったりしたクロスシートが並びます。DSB にはローカル用の電車が無いため、電化区間の各駅停車も担当します。IC3 のローカル線転用により、置き換えが始まる予定です。

MQ形気動車

MQ形気動車

MQ形はシーメンス製のローカル線用の気動車です。DB の BR642 は兄弟車になります。特徴は、連接式とドア付近の低床部・それと腰から天井までつながる大きな窓です。連接部の台車は車軸が無い特殊な構造です。低床構造も相まって、車内は大変開放的です。

近郊客車列車

近郊客車列車

DSB の博物館

DSB の博物館

エストー: コペンハーゲンの近郊電車

意外にも、近年までコペンハーゲンには地下鉄がありませんでした。その代わり、市内輸送を担ってきたのがS-Tåg(エストー)です。大部分の線で10-20分ヘッドのパターンダイヤが徹底されていて、緩急接続も実施されます。車両は"第N世代"という呼ばれ方をされて、現在では第二世代・第三世代・第四世代のものが用いられています。

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エストー MM 形

エストー MM 形

第二世代の MM-FU-MU-FS 形は、1967年から製造されました。全金属製の車体と、両開きのドアを持ち、S-togの主力として30年以上活躍しています。駆動方式こそ吊掛式ですが、加速度は低くありません。正面は当初パノラミック・ウィンドウでしたが、その後更新の際に平面ガラスに変更されています。

エストー MC 形

エストー MC 形

第三世代として1979年の試作車が、1986年に量産車が登場しましたが、試作車16両・量産車32両にとどまっています。また、試作車は1995年に廃車されてしまいました。S-tåg初めてのカルダン車で、車内も第二世代に比べて近代化されています。車番は6001-6008, 6501-6508で、4両ユニットを組みます。

エストー SA形

エストー SA形

第四世代のSA形は、とてもユニークな通勤電車です。車体は8mしかなく、4または8車体連接構造になっています。台車は一軸で構成されていて、片方の先頭車は二軸・残りは一両に一軸です。こうした工夫のおかげで、車体幅3.5mが確保されています。車内インテリアは青を基調としています。

コペンハーゲンのメトロ

コペンハーゲンの地下鉄(Metro)は、北欧で最も新しい地下鉄です。近郊輸送はS-tågで十分でしたが、都市内輸送はバスに頼っていました。これを、エネルギー効率の高い地下鉄で充実させることになりました。最新の技術・デザインが取り入れられていて、完全無人運転が行われています。

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メトロの車両

メトロの車両

メトロの車両は、イタリアのアンサロブレーダ社で製造されました。三車体連接・セミクロスシートで、一両の長さは13mの小型車です。車外・車内とも白を基調としたデザインで、大きな窓と相まってとても開放的です。2007年現在、34本が在籍しています。自動運転を行うため、ATO を備え、運転台はありません。

メトロの駅

メトロの駅

コペンハーゲンのメトロは、環境負荷低減に力が注がれています。重力回生のため、地下区間・地上区間とも、駅は高い位置に設けられています。駅は外光を取れ入れる設計がされており、地上にはピラミッド状の採光窓が見られます。ホームにはホームドアが設けられ、暖房効率が向上しています。