De Stijl (デ・ステイル / 新造形運動)

1920年代のオランダで起こった絵画・建築・デザインの運動です。 抽象絵画の例として、(↓)みたいな黒い枠と長方形で出来た絵が時々出てくるのが代表例です。 単なるデザインの流行ではなく、ちょっとした思想も持っていて、当時としてはかなり革命的だったようです。

(Piet Mondrian, Composition C 1935・著作権失効済・Tate Modernにて撮影)
「デ・ステイル」というのは、この運動の中心となった雑誌の名前で、オランダ語で"the style"という意味です。 "the"がポイントで、「これこそが正当派デザイン」ってニュアンス。 この雑誌は随分理念に走りすぎて、読んでみても僕にはさっぱりなのですが、コンセプトは「単純化」、具体的には「三原色」です。
「これまで芸術の目指すものは写実性とか感性とかいろいろあったけど、どれも余分なものが多すぎて本質を見失っている。 芸術にとって本質的・普遍的なものは何か、と考えてみたとき、あらゆる色は三原色から作られる、という事実が最も美しく単純・不変であろう。 そこでこれからは「三原色」を基本にし、これに人間の感性による取捨選択を加えて美しさの本質を探ろう」
…勝手に解釈してみました。ここでの三原色は色の三原色(減色法)なので、赤・黄・青です。それに枠線に黒も登場します。
あと線は水平線・垂直線、形は長方形が基本です。 基本図形の組み合わせを考えるとき、三角形を基本にすると表現の幅は広がりますが、 ここでは力学的原理(重力のつりあいを考えるには、水平な力と垂直な力に分けますよね?)に基づいて、垂直線と水平線を基礎とする長方形による空間分割を行っています。 (これに関しては後年論争もあったようです)

作品

以下は僕の印象メモです。 googleのイメージ検索で雰囲気はつかんでもらえると思います。
興味を持った人は、1997年に日本であった展覧会のカタログが一番よくまとまってます。 デ・スタイル誌に載った文章は、下の本で一部を読むことが出来ます。

モンドリアン

ドゥースブルフ

フサール

ファン・デル・レック (Bart van der Leck)

リートフェルト

ハンス・リヒター (Hans Richter)