勉強・研究

本来はこれが先に来る気もしますが…
でも実は、ヘルシンキで何を勉強するかは来るまで決めていませんでした。 最大の動機は英語とか、先進の技術を学びに来たわけではなくて、単にフィンランドで暮らしてみたかったからなので… (担当者の方、ごめんなさい…)
でも元々勉強嫌いではないです。むしろ好きです。行き当たりばったりですが、充実してると思います。

システム

TKK(ヘルシンキ工科大学)では、修士の学生は実質学部学生とあまり変わりません。つまり、授業を取って単位を集めます。授業は学部・大学院共通ですが、当然レベルには差があります。一こまの重みは日本の大学の一こまより重いので、「20コマ埋めた〜」なんてのは無謀です。
単位だけ集めたい人は、授業に出ないで試験だけ受けるのも認められています。特にフィンランド語で行われる授業では、留学生は教科書を読んで自習するのが普通です。でも、日本の大学院から留学する人は単位集めはさほど重要ではないでしょう。僕は休学扱いで来ているので、ここで取った単位はどこかに消えてしまいます。
卒業論文や修士論文を書くには、研究室に入って何か研究しないといけません。でも、学生が自動的に研究室に配属されるような仕組みにはなっていません。学生は自分で研究室のボスにコンタクトを取って、研究室に入れてもらいます。もし何もしないと、授業の単位は取れたけど卒業できない…ということになります。これは別に留年という扱いではなく、ごく普通に起こるみたいです。でも研究室でちゃんと研究すると、給料をもらえます。

学期

留学期間は2005/8/1-2006/7/31になっていますが、6,7,8月は夏休みです。この間は旅行したり、研究所や会社でバイトしたりするようです。授業は冬学期が9,10,11,12月、春学期が1,2,3,4,5月で、12月のクリスマス付近に3週間の冬休みがあります。授業によっては半期で終わるものもあり、その場合は試験が学期の真ん中にあります。

僕の冬学期

元々僕はこういう仕組みを知らず、どこかの研究室に自動的に入れるものだと思っていました。留学計画書に希望のプロジェクトを並べておいたから、向こうから連絡してくれるのかな…などと甘いことを思ってそのまま渡航してしまいました。そこで発覚したのが上記のシステム。アドバイザーのところに行って研究室一覧みたいなのがあるホームページ教えてもらって、メール書きました。でもちょっと遅すぎたのか、「もうメンバー募集していません」て返事が返ってきました。別の候補にメールしたけど、こっちは返事なし。そうこうしているうちに授業はどんどん進んで忙しくなって、前半の学期には研究室に応募する余裕なんて無くなってしまいました。
結局前半はフィンランド語(二コマ)・英語・ゼミ二つ・授業一つ取って、金曜日はお休みでした。英語はまず"activation of English"って基本のコースを取って、そのあと発音のコースを取りました。どちらもレベルはちょうどいい感じでした。フィンランド語は本気でやるとかなりしんどいです。スポンジのように時間を喰います。ほどほどに… あとの三つはもう少し詳しく書きます。

Neural Network

週一時間の輪講形式のゼミと、実際に手を動かしてみる課題でした。 テーマは制御理論のシステム同定・制御をニューラルネットを使って行うというもので、本に沿って進みました。元々このテーマにすごく興味があったわけではないし、Matlabをまともに使うのも初めてだったのですが、楽しめました。先生はフィンランド人の先生一人とフランス人の先生一人だったのですが、二人ともとても面白い人で気軽に質問もできて、良い感じでした。取っている人はドクターコースの人も多く、時々議論が白熱して雲の上に行ってしまいましたが…
内容の理解度はそこそこ… とりあえずツールは使えるようになったけど、背景にある数学的知識を理解するのは難しいです。これは新しい分野に首を突っ込むときにいつも感じる課題です。

プレゼンプロジェクトのレポート

Multimedia Programming

同じくゼミです。でも何かの本に基づいて進めるわけではなくて、「ゲーム機」とか「携帯電話」といったテーマだけが与えられて、それについて50分のプレゼンをしました。課題は「何かマルチメディアプログラムを作れ」というもので、これも自由。
こっちの授業では教官の影は薄く、TAの人が時折質問する程度でした。僕のプレゼンと課題は…というと、プロジェクトパートナーに振り回されて割と不本意な結果になりました。プレゼンはともかく、課題の方で相手が選んだフレームワークは僕のパソコンで動かず、それどころか学校で使えるどのパソコンでも動かない… 仕方がないから、友達に頼みまくって、あっちこっちのパソコンを渡り歩いたのですが、結局時間不足で僕のパートはうまく動きませんでした。かなり悔しかったです。(でも彼に指導されたお陰で英語は上達しました。たぶん。)
プレゼン

Concurrent Programming

並列プログラミング。これは授業ですが、結局授業はほとんど出ずに課題と試験だけやっています。課題はそれなりに重めですが、M1の身にとってみれば楽しめる難しさです。きれいなコード書きに徹してみました。
…と思ったら課題1で指示を一つ読み飛ばしていて再提出を食らってしまった… プログラムは「採点プログラム」みたいなのにかけられるらしいです。もう一回出直します。
(結局、試験はよくできたので一応面目が立つ結果に)

僕の夏学期

今学期こそ研究するぞと思い、1月の冬休み中に教授にメールを書いてみました。そしたら面接をしてくれるという返事が。面接ののち、給料は払えないけど研究室においてくれることになりました。ここではプロジェクトの一部を担当し、プログラムと引き継ぎのためのマニュアル・レポートを書きました。所属した研究室は主にニューラルネットの応用研究をしている研究室で、僕が担当したのは「アイトラッカーを用いた、文章に対する興味の推測」でした。目の動きを取得する設備(アイトラッカー)があり、これを用いて、被験者に何か文章を見せたときに、被験者がその文章に興味があるか無いかを判定するプログラムを開発するのが目標で、僕はその第一段階として、文章を表示し、アイトラッカーから有用なログを取得する部分をVisual C++で書きました。これについて、プログラムの利用マニュアル・改変のための実装のマニュアル・レポートを書き、次の人に引き継げるようにしました。
写真 : 書いた簡単なブラウザーと、実験風景
書いたユーザーズマニュアル実装のマニュアルレポート

留学したい人に…

というわけで冬学期は遅きに失して研究室に入れませんでした。研究したい人は、前もって日本からメールコンタクトしておくのがいいと思います。方法は簡単で、そのプロジェクトのトップにメールを書くだけです。参考までに、僕の書いたメールを添付しておきます。
Dear (教授のフルネーム),

  Hello. My name is Kei Takahashi, an exchanging student
of TKK from Japan. I am here from August, and will stay
here until July. I am interested in your research group, so
I would like to ask if I can for half a year. I do not want
to be paid, but I am willing to learn.

I spent 4 years in University of Tokyo, wrote bachelor's
thesis in Information and Communication department.
Although my major is parallel-distributed computing,
I also attended seminars for machine learning.
I have an experience of SVM, and took one seminar
course about an application of neural network to
control theory last term.

Looking forward to the reply.
Thank you in advance.

Sincerely,
Kei Takahashi