リンディスファーンの福音書

ギリシア人にKeltoiと名づけられたケルト人はローマ以前の西ヨーロッパにおける一部族で,その工芸の巧みさは素晴らしい美術スタイルを生み出した。初期キリスト教会の僧達はその独特で複雑な織り模様や結び目模様を手書きの福音書の装飾に取り入れた。ケルトの模様のつけ方はケルト人が命の連続性ーすべての物の相互関連性を信じていることを表している。植物、動物、この世と別の世界の神々、いろいろの要素がこれらの魔法の織りの中で崇められている。このデザインはウェールズのアーティストのジェン・デリスによってリンディスファーンの福音書から再現されたものである。これはマルコによる福音書を紹介するクロスカーペットのページの部分である。リンディスファーンの福音書はキリスト教の布教後一世紀を経ないうちにイングランド北東部で作られたものだが、世界中で最も偉大な手書きの著作の一つである。作成したのはAldred,Eadfrith,Ethelwald,Billfrithの四聖人だと証明されている。リンディスファーンの僧院はA.D.635に、ノーサンバーランドの岸から約2,4キロ離れた砂に囲まれた今は聖なる島として知られる小さな隆起した土地に建てられた。


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