「マザルブルの書」

「マザルブルの書」のこのページは、「エレボールの語法」と呼ばれるAngerthasの最新形のよい例となっている。この用法は、デール出身のドワーフが、急いで書くため書法や綴りが完璧に正確でない日記の類に用いたと思われる。「The Lord of the Rings」追補編 Eの「Cirth」の項を参照すれば、ほとんどすべてのルーン文字を訳すことができる。そこには、エレボールのドワーフにより作られたAngerthas Moriaの修正形についても簡単に述べられている。

「マザルブルの書」は、ここに復元されたページも、「The Lord of the Rings」全編におけると同様に、共通語であるWestronで書かれている。共通語を使うときもドワーフは自分たちの表音的語法による習慣的綴り方を使う傾向にあった。というのは彼らは、ある一つの意味の他アルファベットやルーン文字を使うのを好まなかったし、アルファベットの組み合わせにより単音を表すのも好まなかったからである。そういうわけで、ここの綴りにおいて、各々のルーン文字が現代の英語のアルファベットの各々に対応するのが基本にはなっていない。たとえば十三行目の「chamber」は、chとmbをあらわすルーン文字があるため、たった五文字で綴られている。

後述の写本において、これらの特徴はいちいち書かれていない。特筆されるのは、theという単語が短い垂直の一画で、ofとisがルーン文字の各々一文字ずつで(しばしば)あらわされていることである。ai,ay;er;ew;oa;oj,owをあらわすそれぞれ一つずつの記号もある。一番上の右隅のルーン文字は、数字の3である。

「The Lord of the Rings」で、ガンダルフがこれらのページを読み上げた通路は「The Fellowship of the Ring」第二巻第五章の初めに「カザドデュムの橋」として出てくる。ガンダルフがマザルブルの間で判読したよりは、もう少し多く読むことが可能である。

1 我々はオークを大門と守りの(部)屋から追い払い

2 第一の広間を占拠した。多数を谷間の明(る)い日光の下で殺した

3 Floiが矢で殺された

4 彼は大将を殺した・・・・・・・・・・・Floi

5 Mirrormer(e)に近い草地に・・・・・・・来た

6 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ken

7 (我?)々は修理し(た)・・・・・・・・・

8 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

9 我々は北側大二十一の広間を占拠して

10 そこに留まる。そこは空気がよい・・・・・

11 ・・・・・・・・・・・・・それはたやすく

12 見つかる・・・・・・・柄は光る・・・・・

13 バーリンがマザルブルの間の椅子から立ち

14 上がった・・・・・・・・集(め)た・・・

15 金・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

16 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

17 ・・・すばらしいデュリンの斧を(置き?)

18 銀の兜をバーリンは取り上げ我がものにした

19 今やバーリンはモリアの主だ:

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20 ・・・今日我等は純銀を発見した・・・・・

21 ・・・・・・見事に鍛えられたかぶ(と)・

22 ・・・最良のミスリルで作(られた?)鎖かたびら

23 オインが第三層の上方の武器庫を探しに

24 ・・西の方へ行き・・・・ホリンの門に至る

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