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「北極星を目ざして」

 キャサリン・パターソン(Katherine Paterson)作、「ワーキング・ガール」(「 Lyddie」)は、幕末の頃のアメリカ、産業革命時の紡績工場で女工として働き、大学へ行くリディーの物語だ。
 「北極星を目ざして」(「Jip, His Story」)は、リディーが先生になって登場する。主人公の孤児ジップは、弱者に心を寄せる優しい子だが、奴隷の子と分かり追われる身となる。先生たちの助けを得て北極星の方角を目ざし自由に向かってカナダへ旅立ち、成長後、南北戦争に身を投じる決意をする。精神を病むが、ジップのおかげで人間らしさを取り戻し、ジップのために命を落とすパットの歌が印象的だ。
 二冊とも過酷な人生だが、たくましい明るさがある。ちなみに、邦訳題は、そっけない原題とはかけはなれているが、内容を簡潔にあらわしていて悪くないと思う。
(二冊とも偕成社)