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お豆腐狂言会

 桜がほぼ満開に近い日に、豆腐のように誰からも愛され飽きが来ず味わい深いという意味で「お豆腐狂言」と名乗る茂山一門の「春爛漫:茂山狂言会」を観た。
 演目は、都に年貢を納めに行った筑紫と丹波の百姓が、笑う競争をするはめになる「筑紫の奥(つくしのおく)」、主人の恋文を運ぶ途中で破ってしまい焦る太郎冠者と次郎冠者の「文荷(ふみにない)」、そして、珍しく有名人の主人公、在原業平が道中の茶屋で、餅の代価に不細工な娘を押し付けられ右往左往する「業平餅(なりひらもち)」。
 最後の演目は、茂山千作から、双子のひ孫までの四代が共演するというもので、楽しいと同時に未来へ続く伝統を感じさせられた。