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晩秋の東北地方南部

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 福島県立美術館でヴァイオリニスト天満敦子演奏ポルムベスク作曲「望郷のバラード」を聴いた。深みのある音色で晩秋にふさわしい。

 山形新幹線つばさは、福島市から山形県に入り、山形市、天童市を通り、新庄市まで走っている。
 途中の天童は将棋と温泉の町。高級な将棋の駒は一つ一つが手作りの工芸品だ。ゆっくり足湯につかった後、枯葉を踏んで歩くとカサカサ音がし、色づいた木々の枝が風に揺れるとザワザワと音がする。
 新庄の手前から入る銀山温泉は、17世紀には銀山として栄えたという。川沿いに大正時代の雰囲気の木造の旅館が建ち並ぶ山あいの温泉街だ。

 新庄からJRに乗り陸羽東線で宮城県に入り、秋景色の鳴子峡を歩く。黄茶赤の木々の間に杉の緑が混じり、なかなか雄大な眺めだ。
 リゾート列車「みのり」に乗る。両側の車窓から黄茶赤の山々が見渡せる。

 古川からJRを乗り継ぎ石巻線で石巻へ行き、伊達政宗の命により造られた国産の帆船、サン・ファン・バウティスタ復元船を見学する。17世紀に支倉常長(はせくらつねなが)率いる慶長使節団が太平洋回りの航海でメキシコ、スペイン、ローマにおもむいた時の船だ。海を背景にした帆船を眺めていると、当時の無謀ともいえる航海が想像される。
 その後、仙石(せんせき)線で仙台へ向かう。途中は海沿いに走るので、車窓から松島の美しい風景を眺めることができた。
 
 急な冬型で小雪が舞う寒い晩秋の旅だった。